多くなることの性質
「おまえの本当の目的はなんだ?」
わいは自分の胸元に出ている枝を、切るか壊そうと頑張りながら、そのもの、山系の影だったものに聞いた。
あれが次のこうげきをしてくる前に、構えを備えなきゃ。だからこの質問はその時間稼ぎのためだ。
まあ、こいつはもしかすると、言っているその目的が素そのもので、別に裏はないかも知れないと思うのだが。それもそれで行動がシンプルで厄介だな。
うんんんん…
固い!!!わいの腕力では砕くのができなくて、流石に刺されてる状態でチカラが出るわけもない。その触手は非常に図太いだった。
わいは別に白神女のように世界の生物の種類を全部知ってる感じではないので、よくわからないが、これもこいつが持っているなんか草木の特性を調合したものだと思う。いや、新しい種を作っていて、その特性を使っているのかも知れない。
自分を混沌だと言ってる、葉っぱのドレスを着ているやつは「目的はなんだ」というわいの質問に、頭を一回転して、顔のぶにゅぶにゅを張って縮みながら、素直に答えた。
「言っている。『自分の種の種類をもっと多くする』だ。本当にそれだけ」
素直の方だったか。まだ嘘の可能性があるけど。
「それは嘘だな」
「嘘じゃないよ?私今まで嘘ついたこと一回もないのだ」
「そか」
「実は私は事情があってもう六系との気の通路が切られている。
だから個としての目的性に充実に生きるのだ!」
「その目的性が『色々の種類』か」
「そうだ。平凡としての植物をいっぱい作る。非凡の植物もいっぱい作る。これらはもちろんあたらしい型物理性の廻として私のチカラになるだろう」
「結局、この世界の山系を乗っ取ろうというのか?今の草木を無くして、おまえの新しい種類に塗り潰すのか?」
こいつから作られる、あの沼からの膨大な禍々しいどろどろを見ると、なんとなくわかる。ロロロロロのウンブラ…こいつが持っている動力はシステマとしても本物で、同時に星から来てるのだ。最近見た相対的に真面目な方と喋った時にも言っているが、星が爆発してこの世界まで飛んできた星のエーテルがあのリソースなのだ。
新しい種からの、エーテルの色まで持ってる植物が次々と世に出ると、別にエーテルの色彩を入れて生殖を加速するわけではない平凡の植物は仕方なく追われるということだ。そして、世界の植物や飛べる昆虫などが山系を構成しているので、自然にこいつの質量が働ける比率がこの世界の植物の中で大きくなるというころだ。
より大きいものになると、それは全てを得ているのと同じだ。なんと恐ろしいことだ。
「ははははは」
「そうなんだな!」
彼女は、目を細めて無表情になった。
「それは秘密」
「秘密なら仕方ないか」
そして、彼女はわいを狙った具体的な理由を改めて言った。
「まあ、とりあえず『星屑』が不足だ。今持っている量じゃ、『毒』の性質を持つものを増やすのが精一杯だ」
毒だと!?
「それをどこに使う?」
「愚問だ。目的性など後でできる。種類を増やすことに集中すればいい」
「そか」
「より多い『星屑』が必要だが…この星のものはこの星のことがわかるだけだ。星からの来訪者のことがわからない。それがわかるチカラが必要だ。だから、私がウンブラだった時の記憶に基いて、一番利用できるものが『星からの者』の位置や強さなどがわかる旧支配者の性質だった」
それがわいだったということか。でも、別にわいのことを待っていたわけではないだろう?
色々わからないことは多いけど、わいは自分の胸に刺さった枝を齧る事がやっとできて、本格的に喧嘩を買うことにした。
「わいは面白い事を求めて生きるのだ。十分におもろいか否か。わいを説得して見ろ!!」
この世の黄金の生命として、受けて立つ!
「ほう」




