シックス・システマ、ロロロロロ
そうやって何日がすぎて、わいはあいつを見つけてしまった。
なぜかあやしい気配の草が沢山生えていて、沼だらけの湿原だ。
遠くでも見分けることができる、それは、メロン色の髪型の少女である。なんか直前にみた影より大きいか。
なんと、「興味ありありだ。それではわいはフィレンツェに向かう事にするぞ」と言ってた張本人とここでまた会うなんて―—(この辺にいたということだから、それもそれで自然だけど。六系は自然だから余計に)ちょっと水臭い。なんで「さらさら」の方が先じゃないんだよ。
それでも、こやつらは基本的に希少なので、わいは話し相手が恋しくて、遠くから話をかける。
「こんなところで何をしてるんだ――!」
そしてそのものはこっちを向けた。
一見険しい顔をしたように見えたが、生命の命100万%のわいの姿をみると、
「これはこれは■■■■さま」
「また会えたな」
「……そうですね」
顔を少し柔らかくした。
わいは沼に気を付けて彼女に近づいた。
「おまえが言ってた『霊』属性を纏ってるけど別に術師ではない娘は、いったん後回しにすることにした。他のシックス・システマの連中をもっと探して、それぞれ聞いた後、興味持ってる新しい話題の中で選びたい」
「そうですか。なら『リン』が適切でしょう。奴は足も速くて、多分この辺に祭壇がある筈です」
「この辺で体作れるのか。なら、今はないか?」
「基本的に民の魔力のリソースを使うのが申し訳ないと思うから、用事が終わったらすぐ活動を終了して土と骨にもどるのです」
「そうなんだ」
なら早くも「霊の娘」を確認したあと、眠りについたのかな。寝坊か真面目かよくわからないものだ。
さらさらした奴とは砂漠の国で何回も会ってる。わいは相棒と共に遊戯である決闘を楽しんだことがあったので、その時 普通に「あいつ今どんなきもちなのかな」とか思いながら、出会ったり別れたり。そして、実は別に関係があるわけではないけどイメージ的に連想ができて仕方がないどでかい石の象をみたりしてた。
それも人たちが頑張ってリソースを払って呼び出したのかな。
なら、「その用事」というものが、わいの決闘を観覧することだったというわけだ。
暇すぎる!
「リンとは以前もよく会ってないんですか」
「わいはそんな習慣だったと知らなかった。今思うと『わいの戦いを見るのがそんなに好きか』とか思っちゃうね」
「それは決闘の魔力の狂いが大きすぎて、『神様!わが種族を見守ってください、いや、直接に聞くのはどうだ。族長!』になって召喚されたと思います」
「毎回?」
「毎回」
「どういう意味だ」
「平凡のものたちには迷惑なんです」
「なんだ今回は毒説か」
「基本『颯』と『流』なので。それは鋭い時もあります」
「そうか」
「とにかく私はリンが今どの状況なのかがわかりませんが、確かに『六系の他』よりはウンブラが見つけやすいのも事実です」
「そうなんだな。うむ。わかった。そして、おまえはこんなところで何をしてるんだ?」
ここはどう考えても一般的に思える山森ではないのだ。
「沼の草を育ってますね」
「まあ、それ全部がシックス・システマという事か」
「はい、そうですね。そして、『流れ星』がおりていて、その影響で変になってるところはないか、ちょっと見ています」
「確かにそんなこと言ったな。『自分の眷属が暴走した』とか」
「本当に大変です。しかも、■■■■さまの時と同じく、『変色』がまた発動されたのです。ああ、恐ろしい事だ」
「なに―――!!!それは何時だ?」
「確かに昨年の12月の7日の夜ですね」
「そんな具体的な日付が出てるとは」
「なぜか覚えました」
「わいはその時、いつも連れてる相棒いただろう。あのものの寿命が近いから、いっぱい思い出作りをしていたよ」
「そうですか。素敵ですね」
「そうだろう」
「流れ星見ましたか。まあ、一年ずっと降りましたけど」
「もちろん流れ星も見てた。『見よう、星屑が文字通り星のクズみたいだな』」
「綺麗でしょう」
「まあ、綺麗だったね。そして『わいも30万年前、あのようにこの星に来て、初めて出会った現地民がきみでとてもよかった』とか言ってた」
「あらまあロマンティックですね」
「そうだろう」
「その流れ星は、もちろん■■■■さまはもうご存じだと思いますが、この土地のあっちこっちでエーテルの生態系の浸食を行っていて、実に困る事でございます。もちろんその『暴走』とやらも星のエーテルのせいなのです」
「それ、前回話した時も言ったろう」
「そうでしたっけ?私は『颯』ですので記憶が曖昧だったかも知れません」
「それわいのディスにもならないか?」
何を隠そう、「焔流累颯」の中で「焔」と「颯」そのものがわいである。
「半分はそうですね、確かに。失礼いたしました」
「そこまででは無いよ」
「とにかく、この土地は今その『星屑』で大変なのです」
「そうだな」




