毒の属性などあるはずがない
「今日筋トレ行きながら思った事だけど。毒も属性があるきゃないか」
「なに言ってるんですか」
おれに「自分にあう属性を探すんだ」とか散々言ったことがあるドルイドさんなんだが、あまりにも自由過ぎる発想だった。
「いや、聞いてみろ。四属性の魔力のお仕事で1000年あたりこの社会が回っているけど、自由村落や他のところではドルイドさんたちの緑が別にあったとも同じだ。今まで必要がなかったとか、外界からのものの影響があるまで起きてなかっただけで、毒もこの世界に元々潜んでいたなにかの属性なのだ」
「いや、それはただ『命に危うい性質』です」
「木も霊もあるのに?そして『黄金』もあるぞ」
「それと等しく、紫の魔術もあるということですか」
「うん。ただこの世界のものたちには未だなかっただけで、流れ星に当たった魔力植物という形で初めて発現できたものなのだ。『命に危うい』という物語性を持ってる一つの属性なんだ」
「そんなに新しい属性がひょいとできますか」
「その分あの非凡の流れ星は凄い事件だったのだ」
「そうではありますが」
彼女の言葉は昨年の流れ星で、そのブイオさまの欠片の影響が出て、この世界の魔力生物が変異しているという意味で。
四属性とも違う様々な魔力の性質はもうある。我々が発見してない、大事に扱ってない、思ってなくて使えてないだけ、という意味なんだろう。
「もちろん意味ないものはいらないよ。極める必要もなくて、自然に劣るだろう。現代魔術である元素魔術に比べて、今のドルイドの呪術は「賢者の国」のエーテル消費に適応できず衰えている古代魔術「木」であることと同じだ。でも、存在はしている。似たようなこと、『もうここに毒草の魔力溶液が存在してしまった』限り、毒の魔術属性も一つの部類として、『木』の次くらいにはおける必要があるかも知れないと言うことだ」
「ふん」
おれはもっと簡単な感覚だったけどな。言ってみるか。
「おれは先までこう思ってました。『紫は赤と青の合わせだ』と」
「これはまた新しい」
「赤は火のエーテルが我らに見える色、青は水のエーテルが見える色。そうですね」
「そか。赤と青を混ざると紫になるから、その毒液は『火と水』という二つの属性を一緒に持っているということか。そして火と水の性質を同時に持つから、飲むと体熱くなって死ぬんだ」
そこまでは思ってなかったけど、それもまた「毒草の精製したものは火と水の性質を同時に持ってます」という仮説の根拠になるかも知れない。
「これもまた随分と破格だけど、おれは属性を四つぜんぶ持ってるから。思ってみました」
これはもちろんやばい発想だ。ドルイドさんの「毒というものも属性の一つじゃないの?」級に、ギルドでこんな戯言で論文でも書こうとすると、追放されて教皇庁から破門になるかもしれないバカみたいな意見である。ステラ・ロサさんとの会話だからできるんだ。
「『深紅の悪魔』とか別の生物は、別に人のような色の感覚を持てないけどね」
「そうですか」
「あいつらは目がないだろう。だから四属性を言うと、『熱いもの』『冷たいもの』『重いもの』『軽いもの』などの区分をするんだ」
「へーそれは、アリストテレスの四元素説とちょっと似てますね」
ちなみに「土と風」の区分が、「濡れたものと乾いたもの」の区分で違う。この根源を探求し、この結果を招くエーテルの方向性を色々作り出して、今の元素魔術は発展されているのだ。
「そうか。とりあえず、わたしの感覚ではエーテルの特性を持つ非凡のものが二つ以上の属性を同時に持っているに比べると、新しい属性がもう一つありましたの方がより自然なんだよ」
「確かにドルイドさんは人とはぜんぜん違う感覚も同時に持ってますから…」
「でも『飲むと熱くなって死ぬ水』の概念はちょっと面白いからいいとしましょう」
ドルイドさんは中々ムカつく手草をした。




