空いた部分に核心を挟む事
ムー大陸の夢の主体は人の姿をした。
なぞなぞの属性と、なぞなぞの魔術。もしくは魔術ではない闘技の方を持つ。姿は完全に人だ。具体的な経験、思い出、呪文や言語など、詳細はわからない…だが、そのものは人の姿の方が仮のもので、実はもっと変な、ぶにゅぶにゅで大きい体を持つ存在であった。
元の姿(もしくはただ大きい方の姿)では、手が大きくて多い。口も、目も多いかも知れない。尻尾もある。それに比べると、おれとドルイドさんの物語の始まりを開いてる「深紅の悪魔」は塵で粒みたいに感じれるものなのだ。大きさも重さも…それ以外も。面目ないけど比べ物にもならない。
その本気の姿の手の感覚を使うと、おれは「もう水で水を掴む事ができている」そして、その形がおかしい訳でもない。
☞までが頭の中なんだな。
おれは自分の水を見ながら、その類似模倣を締めた。
よし、水のエーテルを出してバケツの水に術を適用してみる。
「ふん、自分の経験ではないのにな」
おれは少しだとしても、確実に先は全然できてもなかった水の操作の、「対象からの触り」ができるようになったのを感じて、別にその魔力の形が奇怪だったり面妖だったりする様子もない事を、思ったのと同じであることを確認した。
これはまあ、ガブリエル教授のお蔭であると、素直に感謝します。やりました。
それでもこれはただの始めだ。水を触るだけで、動く事はほぼできなかった。おれはその記憶の存在はもちろん、「深紅の悪魔」一匹より明らかに弱いのだ。
でも、「うん、無いと少しは大違いだ」といったん満足をし、さらに力量を入れる。水の魔力が繋がってる部分までが、自分のもう一つの手みたいな感覚で…その触覚、その手からまた周りの水を掴むのだ。
できそう!
そんな少しの進展で少しの勝利感を感じながら、ずっと練習をしてたら、講義の時間が終わった。
「ありがとうございました」
いつも実習の科目はこんな感じだけど。
「うん、今回の質疑で私含めで全部の助言が、ほぼコピペの『水のマギアたるもの、繋がる過去がある筈だ』だけだった気がするよ。それでも、それが本当なのだ。尊敬するラファエルギルド長もいつも言う通り、マギアに大事なのは心だ。思って、通る。そして磨く事。今日の授業はここでお終いだ」
ふだん使ってない(今まで使えてなかった)思考をしたせいか、凄く疲れる気分だった。これは四属性の基本の魔力の操作や呪文が、もうこうだったから、「水の操作の深化」もこれから少しずつよくなると思う。
昼飯で鹿肉をそんなに食ったのに、もう腹が減った気分だった。
かぎかっこの文法をやっと知りました。すみませんでした。




