限界以上の触覚
「今日の本題は「水の操作」だ。つまり、こうしたものを精一杯動かすのがアルスに要求される。ポチッとな」
ガブリエル教授は装置を起動した。講義室の前の壁が開いて、大きい箱が出て、平凡の冷水が零れる。魔力刻印で繋がってるその装置の通称は「お水マシーン」。水の堂の研究や魔力素材の管理、生産にいつも使われる、魔術的な水の管理設備だ。等級が高いマギアは、それを操って建物のどこにも水を注ぐことができる。
装置自体のコアには事前に水の魔術師たちの魔力をいれて、その魔力の主たちが一定以上残っているとその非凡の装置の機能が維持されるもので、多分現時代の魔術ギルドの関連機関の中でもここ、フィレンツェの水の堂にしかない。
お水は水箱がいっぱいになるまで入って、水箱からのまたの魔術的な答えがあって、勝手に止まった。
教授は軽く首と手首、指指を柔らかくしながら、
「こんな量のお水は、私みたいに半径と重さが大きいマギアは、もちろん扱うのがかんたんだね。こうすればいいのね」
大きい水箱にいっぱいになったお水を、ガブリエル教授は両手で持ち上げるように、持ち上げた。これはおれもコップ一つくらいのお水にできることを、大きい単位でやっているだけだから、その過程はかんたんで、原理自体は見ればわかる。(もちろん、単位は化け物だ)
「でも、この水の操作はこれではないね。予習してるものや、この講義自体が再受講であるものはもう知ってると思う。そう、自分の範囲からそれ以上伸ばすのがこの操作の大事なところだよ」
彼女は両手を認識の媒体にして持ってた水を完璧に水箱に戻して、今度は右手の人差し指から群青の、水のエーテルを出した。あえて見えやすくしたものである。
「で、ここまでが今の操作の範囲ね」
そのエーテルで今度は水面の一部だけを、コップ一つくらいの量を持ち上げる。これはおれも魔力の半径がぎりぎりだけど今もできることだ。ここからが問題なのだ。
「この操作の要点は、このお水をまた素材であって魔術の中間経由地にして扱う事なんだが。難しいものね」
今回は、そのコップくらいの水からまた水のエーテルを出して、そのエーテルでより大きい量の水をマギアの影響下にする。
「この時点で、もう操作の範囲の外です」
これが問題だ。明らかに彼女の今の水の操作は「コップくらいまで」なんだけど、またそのコップがより大きい量の水を掴んでいるのだ。これはもう魔法陣や他の素材、呪文とも関係ない、体を動くようなものであって、マジで難しいと感じる。
はあ、おれはちょっと変な夢を見ているだけで、人の体だからな。




