「水の堂」ガブリエル・ブリナ
「やばいのだ!」
やがて授業の時間になって、おれは元素魔術「水」のクラスに入り、定時に入ったガブリエル・ブリナ教授の初めての言葉がそれだった。
なにがそんなにやばいのか。
「君たちはよく知らないかも知れないけど、みんな知ってはいると思うけど。今回、ギルドで調査をしていた、「毒草の大量発生」事件の詳細がわかった。講義に入る前、ちょっと話したいと思う」
ざわざわするホールの生徒たち。もちろんだ。ちょっとだけ喋ってくれるといいと思ったけど、こんなに重大告知を話す程なのか。
「う―ん、うん。わかるぞ。私の講義に雑談を少し混ぜて、」
教授は手首を回して、なんと、なんも無い空間から水を出して、それを自分の水のエーテルで回しながら、その流れの廻りは、早すぎてもう半透明に見えるほどだった。
ざわついてた生徒たちは、一体あれはどんな原理なのか頭おかしくなって静かになった。
「君たちはそのちょっとだけのヒントで今の話題を推測する。その考え方もマギアだ。でも、情報共有は大事だから」
だからおれはこのせんせいが好きなのだ。
なんか教授がこっちを見て眉毛を変にした気がするけど。
教授はまた持ってる水を空中に溶かした。どうやって…?
そして指パッチンをする。
「毒草はもちろんここフィレンツェ共和国から離れている地方から噂になってて。君たちも一部は聞いてる人もいると思う。毒草と言うのはなんだ?草だ。草で、穀物でも野菜でもなくて。その汁は体に喜ばしくなくて、使え道がない事を越えて体に悪すぎるものを言う。だからこれを殺傷能力を上げるために武器を塗ったり、歴史的に多い人物が致命的な毒で命を落とした。つまり、有用なもので。それを勝手に商品にして作り、流す連中が居たのだ」
「へえ」
「その連中の詳細はわからん。別にギルド長、ラファエルさんの連絡の魔術で世界全体が通ったりするのでもないから、地方がちょっと離れているだけで、この世界は広すぎる!鳩や使い魔、そして私の素晴らしい新技、「水玉言葉」ももちろん、連絡手段として完璧に満足ではないのだ。それを発展させるのも我らギルドの定めの一つでもあるのだが…でも、という事で、今は毒薬を精製する奴らは知らない!でも、ものは入手して、この犯人はきっとマギアなのだ。純度がやばくて、この世界のものか疑わしいくらいに致命的な色を持ってる。これは教皇庁から破門されたものや、ギルドと縁が切れたものの中で、金稼ぎのために関わってる錬金術師がキットいる」
「錬金術師」
もちろん、ギルドも錬金術という学文があるのは聞いてるけど、それはただ非凡のマギアだけではなくて、薬剤の方や、金属加工、工芸など、美的置物関連のいっぱいの技術に関わる人の中で、焼いた煙を吸い過ぎて頭おかしくなってるのではないか心配になるくらいの研究者のものだ。その言葉とおり「金を作りたい」という目的性がある。まあ、鉄くずなど雑な金属が実際に金銀になると、それは素晴らしいことだと思うけど、どう考えてもそれはいれるエーテルの量以上の変換や強化は難しいのではないのか?非凡の技術でも平凡の技術でも理解ができなくて。その真意が全くわからない胡散臭い存在だ。
「そんなに胡散臭いだけではないけどな。東の国から翻訳して伝わったアリストテレスなどなどの記録が我ら現代魔術師の知識の一大革新になっていて、その研究をした人の中で錬金術師もちゃんといたという。だから、人に害を及ばず研究するのは、教皇庁の許容範囲の内に入るといいと私は思うのだが。今の毒は危険だからな。ちょっと政治的な頭痛い事件を利便に解決したいと言う誘惑が来るのだ。これはやばいのだ!」
先から非常にやばいですね、と、誇張してる彼女であるが。
「みんなワインを警戒するようになる!」
なるほど。なんか彼女の家業と個人の得意分野に関する現実的な問題だった。




