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水の堂の立場

「基本的に水の堂、ガブリエル教授は自分の家系の勢を増やすよりは水の堂ぜんたいの権力を増すのが目的に見えます」


「長としてとてもいい態度ではないか」


「そうですか?」


わたしは元々隠れ里の出身の娘と、よくわからない化け物の、そしてお星さまのチカラでできたトリプル亡霊だけど、その感性は普通だと思う。逆に、自分の家の権力を上げると思うのが全体の絵図を見ると、他の反発を招くから損では無いか。

その時、わたしのマントが喋った。


「それが勢いとしては普通なのだ」


「ブイオ様」


「勢いですか」


パンをぜんぶ食べ終わって水も飲んでそろそろギルド行く前の少年である。


「そう、この子は基本的に「食わなくてもいける」から食べないだろう。ふつうか?」


「ふつうでしょう」


わたしはちょっとは知ってるけど、あえて首を傾ける。


「どうでしょう。食べれるものは食べるのが人です」


「そうなのかい」


マントが喋った。


「そう、それが「(フラマ)」…きみにはそんなに濃く言いたくない、気持ち悪い方の理系の知識なんだが。とりあえずわたくしと桜のドルイドさんが繋がってるエーテルの勢いみたいなものが人の子の行動にもあるのだ」


「むむ」


少年はちょっと考えて、


「なるほど。ガブリエル教授は、「ブリナ家を大きくする方向が自然」だということです」


「そう。わたくしはその魔術師は顔も知らないが、それは威勢として「食えるのに食べない」だ」


「ふうん、でも今のギルドの状況は違うんでしょう」


わたしはちょっと反論してみた。


「そうですね。今のギルドのマギアの家系は天才的に優れた術師が「四つの堂」の教授たちに比べるとそんなにないです。この状況で今まで表に出なかったブリナ家が威勢を増そうとすると、個人の魔力だけではなくて、既存のコネと資本(しほん)などでガブリエル教授の立場が曖昧になるから、それを避けるのではないでしょうか。いや、でもそんな性格の人ではないか」


「どんな子だ」


「政治的に立場を全部立てる。目障りの意見は間接的に基盤を劣らせて崩す。名門と王家と教皇庁にワインなどを納品してコネを増す」


「めちゃすこなんだけど」


「その人天才ですから」


それは確かに天才だ。マギアの原理だけではなかった。てか、それで本当に同じ10歳なのかい。


「その政治力を全部「水の堂」を上げるのに使うのかな」


「そうですね。もちろん、ご自分もですね。

でも家系には使ってません。おれが知る範囲ではそうです」


「それは正気でできぬな」


エンブリオは自分の両手の指指を当てながら言った。


「そうですね。だからいつも彼女は葡萄汁を口に付けて生きてますね」


「葡萄汁好きなんだ。おいしいもんな」


「はい、ブリナ家の農園の自慢の種だから」

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