そしてまた会おうを告げて桜のドルイドは街を去る
「そうか。わたしの記憶の手がかりとか
この犬に認められるための学び
そういうのがあるかと思って、一応言ってみたけど。そういう国はないんだな。」
わたしは、とりあえず、曖昧な記憶と、怪しい宿命、そして森の姫様の夢を歩こうと決めたから。
どうにか自分の情報が欲しくて、残念に言った。
「まあ、おれもこれから学んで、もっと魔術ギルドの知識も貯めるだろうし、
ステラさんがこの国のあたりで「悪魔」退治をずっとするのならば、また会うでしょう。
なんか新しく、関係ありそうな本とかあったら教えますよ。」
エンブリオ少年は笑う。
「ありがとう」
「どういたしまして」
ごはん食べて、話している内に、外はすっかり明るくなってた。
「それじゃ行くか。わたしはお金もなくて、町でドルイドの仕事などない。
都市はあまり縁がない身でね。」
「そうですね。いわゆる魔力仕事はギルドのナワバリですもの」
「それくらいの常識はあってよかった。」
こういうのはドルイドのばあちゃんが言ってくれて。
「きみも無事に日常に戻れてよかったよ」
「ええ、本当に厳しい経験でした。
改めてありがとう。恩は忘れません」
「礼儀正しい」
それで、桜のドルイドさんはフィレンツェの中心部から離れようとするところだったが、
「あ、そういえば、気になったけれど」
「?」
「おれの服が、病でなくなったのは、なぜですか?」
まだ説明は全然グダグダだった。




