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大地の女神

そして、やはり「(ウンブラ)」が無いのは不便だったらしく、声だけの夜は蛇になって、樹木の面影から姿を見せた。


「いや、今は冬だ。なんの蛇だ。冬眠しないか」


影の蛇さんに、金髪の女性はツッコミを入れる。


「気分だよ」


蛇は文字通り舌を出す。夜の味は冷たいのである。

金髪がサラサラした女性は、ストレッチを終えて木に背けて座った。彼女は偉いので、全然お尻が寒くない。


「まあ、とりあえず。直接会ってみたら、その「1人目」か「2人目」かの白い子は記憶を失って非凡の人の子として生きると見えた。それは、ただ私の子孫だ。何かが混ざっても、悪しき心を持っても、自由に生きて欲しいのだ」


「そうだな。人の子は全部きみの子供だから」


その言葉を聞いて、金髪の女性はやっと微笑む。


「そ。勝手に生きて、学んで、流行りを走りながら彩を見せればいい事」


「偶には悪ごともしてね」


影の蛇が少し尻尾を揺らす。


「それも悪くない。精一杯生きたら、それでいいのだ」


「いいのかよ」


「私は根本的に全肯定(ぜんこうてい)だから。そして、きみが言う「悪さ」も、別に灰色(ぜつぼう)的なものでは無かろう」


「うむ、そうだねん。人の子たちが言う悪さではあるけれど、私は「隠す」「体に悪い」ものなどが、別に悪いものだと思ってないから、それは人の子の社会の規則の基準だ。ただ私たちには「やらない」「自ら縮む」などが「喜ばしくない」だけだ」


「そう。灰色が一番なんもできないのだ。色が立ったらなんでもあるのが時間だ」


「時間で、時代なんだろう」


「そう。別に人の子が疫病でいっぱいいなくなっても、(しゅ)が他の種を絶滅させても、それもそれで彩の、なにかをやろうとする行為の結果だ。その動力(ターボ)はそれ自体がチカラで、そんな命がいっぱい集められているのが私たち、六系(ろっけい)だから。別の方法も特にない」


「そうだね」


影の蛇は体を丸くした。


「もちろん人の子の国が亡ぶことはかわいそうで、楽しい事が多いのは良い事だ。でも、星の総意のごく一部である私たちの(ウンブラ)としては、それに干渉するのも面白くない行為で、命の彩を邪魔する方向にさせる」


「そう。言えば、私の一部がきみの一部をいっぱい食ったのだが、その次の人の子は生き残ったとくせいに基づいた新しい世代になって、社会は変わるのだ」


「うんうん」


「ロロロロロの奴にも同じ事言ったけれど。■■■■さん、最近この辺り歩いているじゃん」


「そうなのか」


「うん。なんかアジトをいっぱい作ってるらしいよ。完全にどうぶつの思考だ」


「確かに食肉目大型哺乳類(もうじゅう)みたいな行動原理だな」


「へっへっ」


「うむ。その人も、「本気出すと面白くなくなるから」そんな謎の生活をしてるのだろう。干渉したくなくて、適切に旅するためにところどころに家を作ってるのだろう」


「だね」


「その方向性が多分合ってるのだ。私たちシステマは、真面目な連中の祈りを受けてちょっとの好奇心解決をしてくれるとか、ちょっとのお助けをした方がちょうどいい」


金髪はちょっとノリノリで、蛇に手を向かう。影の蛇は、その指先から乗って、腕を周り、肩に乗った。


「うむ。私も面白いものが良いと思うね」


「またゲームでもするか」


「後でね」


「そう」

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