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シックス・システマ・リン

「異国の人で、無表情だった。目つきが鋭くて、金髪がさらさらだ」


「そう」


「本当になんもない。わたしに記憶がないことを聞いて、思ったのと違った様に、去っていたよ」


なんなんだろう。珍しいものだと思って攫おうとした?だけど、期待外れであきらめた?そんな依頼を受けた仕事人か?


確かにリソくんのエーテルの属性は珍しくて、その持って生まれたチカラは強くない。「凄い霊の属性の子供の原石があると感じて来てみたら、これくらいか」になっていたのか。

もう過ぎている事だが、気になるのは仕方ない。


「他にはなにか言ったか?」


「そうね。名前を聞いて、答えたよ。そうしたら、それも知っている名前と違ったらしい」


「まあ、それは普通にそうだろう」


「確かに」


彼女は記憶喪失で、自分で自分の名を付けたのだ。米が美味しくて(リソ)にした。


「改めて別になにもなくてよかったな」


リソはちょっとあざとく言った。


「レグノの旦那は別にウチの保護者でもないのに心配するんだ」


「うむ、わたくしの客だから」


「そう」


食事の整理が終わって、リソくんに少し頭に良いおもちゃを遊ばせた。木のブロックと円盤を使ったものである。


「これを動かして、一番効率的な回数で終えるのだ」


「なるほど」


円盤を動く数が少ない順番を見つけて、その速度が速くなると数理的な思考が通るのだ。そして、この子は全体的に技術方面に才があるから、計算や勉強ができるようになるのは(ちから)になる。


「そう。この場合、その順番が最小だ」


リソは別に目的性なく、数が書かれた木のブロックで遊ぶ。

人の子は大体指が5本ずつ付いているので、0から9の数字を使う。月が12回変わると一年だから、30と60と360日も使う。これらを自然になるまで覚えておくと便利なのだ。

便利すぎて、人の子にずっと受け継がれている。


この数字のカタチはそんなに変わらないのだ。5と8の形がちょっと丸くなったっけ。何百年も同じだ。


「ウチはこのブロックたち、けっこう好きです」


「そうか」


「形があって、触れる。触ると心地いい。木の匂いがする。

薄く覚える以前の生活の事ではこんなものは持ってなかったので、凄く楽しいと感じれて、この「数字の勉強」は(しょう)に合うの」


六面体のブロックを色んな形に積みながら、彼女は気が乗って見えないエーテルを少し動いたりするが、別にブロックが動くとか、有意味な変化はなにもない。やはりエーテルの術としては弱いか。


「それは良い事だ。だからわたくしはきみがいつか何かの分野でこども助手になってくれるんじゃないかと思って、生活のついでに教育をしてるのだ。ぜんぜんわたくしの下で働く必要はないけど」


「そうですか。ウチに取ってレグノの旦那は恩人なので、それでは頑張りたいと思うけど」


「そう」


恩人ではあるけど、わたくしはただ白神女(しらかみおんな)と神獣に会った時、「(まなび)は凄くいい傾向だ」と言われたのをずっと思っているだけだ。その言葉が意外と大きい支えになってくれたから、それがこんな感じになにかの形に返す事ができて、よかったと思う。

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