霧(きり)の記憶と砂の思い出
先も、自分のドルイドの知識が得たばかりのものだと言ったけど、
実は、わたしには霧のように、薄くて曖昧な、とても自分のものか誰のものかわかりずらい記憶がいっぱい混ざってあるのだ。
曖昧ドルイドだ。
曖昧真っ白頭の桜のドルイドちゃんなのだ。
初めて見るけど知るものが多く、エーテルの知識も、杖の使い方も。
ドルイドの呪術で少年を救って、賢者の存在もそうだ。
わたしは、賢者という人に会っている。
「ドルイドの上位のもの、ですか。」
「うん、その賢者が治めた国があってね
多分、わたしはそこに行った覚えがある」
「なんと。」
「うすうす感じているかもしれないけど、
先に言っておくと、わたしは自分の記憶が曖昧な状態だ」
「まあ、それは見ればわかります」
「ぬ」
「ドルイドには不思議な術が多い。
そして、狼さんともなんか関りがあったりするんじゃないですか?」
「そんな感じだ。」
「つまりドルイドの国ですか。」
「戯言か?」
「いえ、ありえる話ではあります。ドルイドの呪術は強い。動物と共に、今の世界の経済や政治の地形が無い、自然の恵みを増やす里があってもおかしくはないです。
あーでも穀物は効率が出ないから、食糧に困るかもしれないけどー」
「うむ」
「聞いたことがないです。
おれが知る限り、そういう国は存在しません」




