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占星術(アストロロギア)

「だからエンブリオ少年、わたくしたちが道を迷わない様に、今は概要だけでも「フィレンツェに戻る方法」があったら教えて欲しい」


「それはどんな状況を(おっしゃ)るのですか」


あ、言わなかったかも知れないな。少年がわからないのも同然である。


「わたしはブイオ様に乗って走れるのだ。そして、「深紅の悪魔が探知出来たら、そこの方向がわかる」ので、ハヤテのごとくそこに行けるのだ。でも、戻る時にフィレンツェがどの方向なのかわからなくて、道路は有料なのだ」


「ふむ」


「だから、海岸の郷に行った時に、そこはけっこうのデカい都市だったらしいので、助けた兄ちゃんに聞いておけばよかったけど…とりあえず、ここまで繋がってる有料道路があったから、バレない様にその横の林をなぞって歩いて来たので、めちゃくちゃ時間を使ったのだ」


「有料道路を利用しても、ブイオ様に乗って動くのはできないですね」


「うん。2.5mの狼なのだ。あり得ない」


ウマとかであっても「めっちゃ珍しいものを見た」になるだろうけど、「白神女」は白い牛の神獣と共に旅すると言うけど、わたしはどっちも合わない。だから、有料道路も関係ない山道はいっぱいあるから、方向さえわかると、ブイオ様の丈夫さと、わたしの普通に平凡(オーディナリー)としては優れた身体能力で、毛を引っ張って走れるのにな。方向がわからないとなんもできないのだ。


「だから「占星術」ですか」


「うん。だから占星術の中で星の位置を見て方向がわかる(すべ)をよく学んで、行くときに方向を測って、その反対の方向で戻れるのではないかと、わたしは思ったのだ」


「なるほど」


それ以外は昼の方法も、夜の方法もわからないのだ。

そして一番の技としてブイオ様が思いついたのが「欠片をこの部屋か、少年に渡す」作戦だったけど、それはいったん「今その欠片がないんだが」だし、方法自体が非常に不謹慎な、わたしにとっては「「木属性」のエーテルを使って虫の様に齧ろうとする」みたいに、理系的にできるとしても、やってはいけない気がする類なので、今はその時ではない。


「そして、星のチカラを使う方法もあると思うのだが、今は難しいと思ってあきらめた」


でも、いったん概要自体は言っておく。


「ほう、ちょっと気になりますね」


「今は出来ない方法で、それが正しいかもわからなかった」


「そうですか」


「で、わたしは「(ステラ)」なので、ふつうに占星術を学んだ方が物語的に合うのではないかという理由もある」


「名前は大事ですね」


「うん。自分を定義して、他のものが自分を呼ぶカタチになるから。わたしは星として占星術も知らないの~?←になりたくないのだ。

実はそこまでではなかったけど、ここの本を読みながらもその気持ちがちょっとつよくなってる」


「いろいろの学文がありますからね。現代魔術(モダン・マジック)


「占星術も魔術なのか?」


そう言えば魔術じゃないじゃあないか。


「そうですね。魔術というか、より学文に近いです。エーテルの動きを見て解釈することで、反対に(じゅつ)を出して星を動かすとかできませんから」


「うん、それは流石に無理があるね」


「だから占星術は魔術の類ではないけど、エーテルを見るものではないとより観測と解釈が難しいから、自分が操れる魔力が低いけど、目と記憶力が良い人が有利ですよ」


「わたしじゃん。一番得意なんだけど」


「ドルイドさん、目いいんですか。確かに夜で赤く光ったりしますが。」


「言ったか覚えてないな。めっちゃよくなった。わたしはクララの時に、「目が悪くていやだな」も強い感情を持ってたので、この体になる不思議ちゃんのお星さまの大魔術の時に、「目がよくなったら良いな」と願ったのだ」


「へえ」


そこでブイオ様が追加する。


「それはマジで「クララ」という子の願いだよ。「深紅の悪魔」はもともと目が無いし、わたくしも読めないとか見えないとか、そんな概念が薄い。接せる情報なら処理する、できないものはできないからなんも考えてないからだ」


「そうですか」


「だから、閃光の記憶を持って、夜に()もいいわたしが占星術を学ぶのもけっこうありそうな気がするのだ」


「なるほど」


「ちなみに、きみは占星術の本、持ってるのか」


たぶん文字中毒のこのものが持ってないはずもないが。


「はい、もちろん持ってますね」


ほらね。そして少年は普段使ってないような感じの棚や箱を調べて、本を出した。


「これですね。「占星術(アストロロギア)」」


「そう読むのか。あ、そうだな」


「ふふ。授業の成果ですな。成果が早すぎますな。

はい、これが魔術ギルドの色んな「四属性以外の」術の一つですね。夜空のカタチと星の動きで、もともと(こよみ)も作られてるのです」


「そうだったのか」


「はい、「星座」あるんじゃないですか。「狼の星」はそれに無いからよくわからなかったけど、星座のいろいろを使って「(ルナ)」を測れるのです。一回(いっかい)(まわ)ると一年になる」


「うん。それからはわたしも知ってる話だな。御伽噺と神話は専門家だな」


「確かに、「木属性のエーテルの素質」とはあまり関係ない話だ」


「でも、目わるかったし」


「ああああ!!!」


「そうだよ」


だから「ドルイドの星読み」はわたしの知識にないのだ。

だからその情報がやっと合うと、割とわたしはもともといい占星術師だった、になるかもしれないところであったのだ。やれやれ、わたし、まだなんかやっちゃいました?になるところなのだ。


「ふむ。それは普通にお仕事がもらえますね」


「そうなのか」


「星が読めて計算ができる。占星術師の本人や助手じゃないとしても、計算する人は凄く足りないと聞きます。これを計算家(コンピュータ)と呼ぶのです。職業です」


「それはなんか語感(ことばのかんじ)が変だな。コンピュータって、どうぐみたいなイメージがあるな」


「ちゃんとお仕事です」


そうなんだ。


「うむ、それでは、この「占星術」をいったん一人で読んでみることにします。助かります」


「はい、おれも正直「四属性のエーテルの使い」に目がないので、その他の術にはあまり頼りになれなくてすみませんね」


「いえいえ」


「でも、占星術はけっこう大事な学文なので、教皇庁との提携も頻繁で、魔力量より偉さも凄いんですよ」


「そうなんだ」


「ギルド長に親しい占星術のせんせいがいるのです。そんなに活動してないと思ってるけど、その人が凄く偉いのは、「四つの堂」ではないとしても、特に術自体の属性とかないとしても、大した待遇だという事だと思ってます」


「へえ」


なら、その隠し属性が「(アマウロス)」だったりするのかな。わからないけど。


「おれはもともと四属性の全部の適性と記憶能力の理由で特例なんです。貰える本、買える本は全部集めてるけど、読んでも心が躍らない」


「確かに。専門外なんだ」


「ええ」

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