化け物を狩る者の話
「あ…そうだった。助けられて、初めて言っちゃってけど」
「うん」
「もともと、魔法生物から人助けをするのはドルイドの仕事ではないですね」
「そうなのか?」
少年は頷く。
「ええ。先も熱心に喋っちゃったけど、それは普通、騎士さんがやることなんです。
国がいっぱいあって、その国を王様が全部を治めることが難しいから、貴族が領主を務めて、領主本人が凄い武芸を備えた騎士だったり、下に優れた騎士を雇ったりする。」
「うむ。力ね」
「他国との争いに出るのも、もちろんですが、それは取引という手もあって。
農民たちが魔法生物においしく食べられるのを防ぐ役割も大きいんです。
畑仕事から出た穀物が、商売、軍隊、権威。国の基本だから。
話が通じない化け物に農民がやられてしまうと、国の穀物が減って、他の国に負ける」
「なるほどね」
そして、わたしの村のように、国に属してないところにはその恩恵がないということだ。
ちょっと病むけど
「まあ、国の制度など喋ってる騎士小説など誰も読みたくない。雑談だってそうでしょう。
とりあえず、怪物を討伐するのは騎士なんだ」
「でも、すべての村がその仕組みで身を守るわけにはいかない。世は広いもんだ」
「そう。領主の手が届かない街なんていっぱいあるでしょう。そんな所々で活動するのがハンターだ」
「ハンター」
「まあ、この場合、鹿を狩りて熊を狩る狩り人と同じだけど、もっと強い存在だと言えます。」
父の超強いバージョンということか。




