マギアもいい事ないや
「なんか「土」の魔術の中で、気に入ったものはありましたか?」
「全体的に良いよ。実用性が凄いのだ。いちばんを選ぶと、そうだな。「遠い場所が弾く」が凄いな。あれはどんな仕組みだ?」
「ああ、「土竜」ですね」
「それはどうぶつじゃあないか」
「そうですが、みんなモグラと呼ぶのです。魔力の方向性を地面に付与して、それが目標地点まで行って、そこの土の魔力が触れる物質を「素材」と扱って、「周りに飛散する」を動かすのです。だから弾く」
「シンプルで高級だな」
「はい、めっちゃ難しいです」
簡単そうに思えるかも知れないけど、それ、単に「術師の廻」の範囲を超えてる。なにかの勢いを使ってそれを越えるのだろうけど、地面は一つ二つで定めない複雑なものではないか。めっちゃ効率落ちて、思った地点に命中できるのか?わからん。
「それ以外は、なんか平凡の技術でできるものも多くて、なんか納得できた。「土台をつくる」「固める」とか」
「そうですね。理系ですから」
たぶんその魔術で作られた建築物は、ただ土と石でできてる部分は、術の影響が終わっても残るんだな。ありえない「土の人」とか作ると崩れるだろう。でも、町の壁を立てること等に使うとめっちゃ便利なのだ。
「まあ、考えてみればドルイドの呪術も、しかも古代魔術「木」もだいたいそうだった。「偉大な目標の為の魔法」とかないんよ。」
わたしは「深紅の悪魔」として、なんか古代魔術「風」だと思うけど。そういう隣の領域の仕事の空白を埋めるのもちょっと師匠のお手伝いをしたのだ。どこでも、技術というのはぜんぶ頭痛いものだ。
だから、その深紅の悪魔としてのわたしは、今の「座標の衛星」の役目が悪くない。力仕事はもともと少年の言葉通り「クララ」の父が狩り人だったから、以前の「そんな弱弱しい娘で」ではない、文字通り生まれ変わって「平凡の人より遥かに優れた身体能力」を持つようになってるから、家系の気質と体が合うようになったのだ。嚙み合う感覚が良かった。
そう、体は楽であろうと、ずっと大変なお仕事を考えてやるより、今みたいに移動中にはなんも考えなくても良いのが凄く気が楽なのだ。もちろん、深紅の悪魔のハサミに一刀両断されるのはごめんだから、油断はしないよ。
シンプルがいいという事だ。
「でも、ドルイドさんたちは「忙しくて仕事やるだけ」よりはちょっとゆっくりなイメージあります。
全体的に人の村落に訪れて、安い値段で術をやってくれて、薬草を教えてくれる、自然を愛するそんな感じだ。実用的だけど、もっと心を重視する、そういう偏見があります」
「ここのフィレンツェの魔術ギルドの複雑度に比べると、そんなに偏見ではないと思うよ。基本的に「白神女」さまの影響だ。きみみたいに他の人もけっこう知ってるのだ。ドルイドたちは、みんなそんな風になりたい。そういう人生を送りたいと思うのだ。
だからわたしは子供の頃からドルイドのばあちゃんに憧れたのさ。「白神女」みたいになりたかった」
「なるほど」
「クララとしてのわたしは、まあ、何年前のことだけど。この様な魔力使用者たちの社会や都合はぜんぜん知らなかったけど、ドルイドのばあちゃんがやってくれるお話がとても好きだった。だからきみが好む騎士小説はあまりわからないけど、御伽噺と神話はだいたい熟してる」
「そうですね」
「その中でわかるのは、「これ現実の話だ。厳しいのだ。全部死と結婚の話や。でも、夢はちゃんとあるのだ」とか、希望とか堅実とか憧れとか喜ばしい息の方向。生きの方向があったという事だけど、そういうは普通にお仕事としてマギアやってくと、ここで何が何だかわからないうちに月日が過ぎちゃう日々を送っていると、心とか夢とか理想とか、そんなに誰もが求めれるものではないよね」
「はい。おれが知ってる範囲内では体何本も持ってるであろう「堂」の大魔術師たちがやっとそんな感じで、みんな普段の仕事だ戦争だ任務だ毎日が戦闘です。学生も魔力の寄与とかあります」
「そうなんだ」
それが飯代か。なるほど。
「だから登録した魔力の認証とか、ちょっとは人が施してなくても効力が残っていて、システマが回るとかできるのです。ラファエルギルド長が考案したもので、繋がってます」
「へえ」
「登録用にドルイドさんのエーテルもちょっと入ってるのです」
「それはちょっと知らなかったな」
「ここは本当に「世界の魔術を定める」ところだから。まあ、国際的に多分デカい方でしょう。この最上のところに入って何が何だかわからない日々を送る事はきっと、これが憧れの道だから、いい気分であります」
「うん。そうだった」
そしてこのものが優れてて広場で焼かれない立派なものになると、わたしの生活も安定になるのだ。
「またこの子ゲスい事思ってるぞ」
勝手にダークグリーンのマントが喋り出した。
「またはなんですか」




