でも非凡だけじゃ成せない
「でも、本当に「人の子たちの夢の話」がこの世界の型物理性で、わたくしに与えられた祈の正体だとすると、むしろその本質や性質にはおまえが詳しいはずだ」
「それは果たしてどうでしょう」
御伽噺は知っても、それがどんな過程で作られて、実際にどう混ざるか、その工程をわたしが知る筈がないのだ。
「でもどんなキーワードから作られたのか、これとそれとあれが結合された物語がどんな形に変わって、ちょっと離れた国の話はここのものとどう違うかとか、ちょっとわかるだろう」
「ぜんぶ知ってますね」
たぶんわたしの村に来てたドルイドのばあちゃんはわたしにできる話できない話をぜんぶしてくれたと思うので、そのばあちゃん以上の、遥かに上回る知識を持つ、そう。白神女さまくらいにならない限りは、今の時を生きる現代ドルイドの中では、わたし、桜のドルイド、ステラ・ロサが御伽噺は一番知っていると思う。
これには明確な根拠がある。集中度と優先順位だ。
わたしはドルイドの一般知識であろう「呪術の使い方」などの心得はぜんぜんなくて、それは今のところ「古代魔術「木」」の記憶で杜撰に代わっているだけだ。興味あるのは童話の方で、神話の方で、ドルイドのばあちゃんの立場でも、わたしは木属性のエーテルを見て扱う素質が全くなかったから、気の毒だと思って、できる話をやってくれたのだ。
できない話だけど術の話まで言ったのは、そろそろ言える御伽噺がなかったという事で…
「なら一言を願おう。「人の子の心は「夢の国」経由で繋がっているのか」?」
狼は問い、わたしは答える。
「緩くそうですね」
「そうか」
「わたしは神話生物なんとかはあまり知りませんが、人の子は「言葉」で繋がってその音声言語が「悪魔」の「心の言葉」と違って、他の意味も解釈ができる任意の奴だから。その分緩くて、交わさないとわからないからその分不自由。でも、残ります。
「賢者の国」の常識はここで通じなくても、「兵士の国」の常識はここでちょっと通る。それは直接人と人の心が繋がってないとしても、「賢者の国の以後」はたぶん「夢の国」の働きで、物語が残って、「星のイメージ」などが今の現代のフィレンツェまで伝わったという事です。
もともと草木や他の動物に比べると、「エーテルの素質がない」人の子がこんなに意思疎通が円滑であること自体が、珍しいものでしょう。生物学てきに」
「そう。神話生物理学的に、もともと意思疎通ができるのが珍しいのだ。何かの塊の形態で「物語」が残るのがここの霊属性のエーテルの海の特徴だ」
「ふむ」
「この膨大なアイデアを使って、ここの建物とかを作ったのだろう」
ここからは平凡の社会の話。
「そうですね。「魔力刻印」などとは違って、これらはちゃんと平凡のものだ」
平凡の物は固いから。その術師がなくなっても残るし、魔術や気力の技よりも多くの人に伝われやすい。エーテルの素質がなくても扱う事ができて、その人の数も遥かに多いのだ。
「例を言うと、おまえの杖、「桜のドルイドの杖」とかも、今のわたくしとおまえというこの系を支えている柱が溶けてしまうと、泥の様に溶けるだろう。その前はちゃんと魔道具だが、「一部を売る事はできない」みたいに、我らから離れては維持できない」
「そうですね。今のこの部屋の魔術なども、魔術ギルドの術師たちがちゃんといてから成立できるものです」
もし今の魔術ギルドの人が一人残らず「偽りの絶対宇宙戦争」とかが起きてやられたりすると、すぐさまこの一番イケてる都市国家の、非凡の部分はぜんぶ溶けてしまうだろう。嗚呼、恐ろしや。
「なら、やはり「夢で見た話」などが実際の技術と平凡の学文になって、それが伝われるこれ全体が、人の子の型物理性ということになるぞ」
ちょっと話が見えないな。
「でも、それはエーテルの素質がぜんぜんない人の子も含めて、全体がエーテルのシステマを成しているという、前と後ろがぐちゃぐちゃな話ですよ」
「それはそうだ」
でも、確かに深紅の悪魔の体とか、やられて放置するとなくなるものとかと違って、風で消え去ると色も分からなくなる「灰色の呪い」とかと違って、人の子の体はちゃんと命と言うものが体からさよならバイバイだを告げようとしても、体は残るから。
ふん、血肉と骨なんだけど。
「だから「木」の方がちゃんと意味があって、「土」の方がデカいのか。その施しの残りがパンの形で食えるとか、土台の形で残るとかするでしょう」
「まあ、だから「堅強」と言うのだろう」
「ならマジで逆張りをやめて、今この本の「人が描かれてる絵図」だけでもちょっと見て覚えたいと思います」
「そうだな。話が過ぎた」
今も「目にゴミ入った人の絵図」とその先絵に止まっていたのだ。
言葉の方は…文字の形をぜんぶ目に入れたのは事実なので、おとなしくエンブリオを待つことにした。




