理が散っても気は残るのだ
わたしはステラ・ロサという「星のエーテル」の勢いを貰って活動してるもので、その勢いの主たるブイオさまは「霊」属性専門の狼だ。亡霊の星のおおかみなのだ。
その親しくて、もうやってる話としてら。
「夢の国の話ですか」
「ほーこれはちょっと嬉しいものだ。覚えてくれて」
「ちょっとブイオ様の話の中で、理系的ではなくて、これが一番夢話だったので、印象に残ってます」
「そか」
なんだっけ、わたしが「深紅の悪魔の粉」としての自分を認めてなかった頃、「夢を見ました」と言った朝があったのだ。その時に「よくおまえが夢を見たな」とか言ったのだ。
「たぶん「夢を見るのが不思議だ」とか言いましたね。まあ、なにがどうなってもわたしの今の答えは「人は夢を見て、今のわたしは結構完璧に人だ」ですけど」
「たしかに。それが社会化だったのだ。まあ、とりあえず「夢国」の話なんだが、わたくしもずっと繋いでるわけではないが、それは今のこの世界の遥かな上空に浮いている、膨大な霊属性のエーテルの塊そのものなのだ」
「へー」
それが夢の国か。そして、ブイオ様が霊のエーテルに親しいというのなら、なんか「もとの質量を戻す」とか「もとの座標に戻る」とか「品が高まる」とかに色々繋がってるものである。
でも、本当にそういうの「賢者の国」の知識にはなかったので、
「そうだ。「賢者の国」、もしくは「ムー大陸」の滅びの時にできたのだ。そしてもちろんそれまで言うと、言うまでも無くその原因は」
「ムー大陸に住んでいためっちゃ多い命の幽霊か」
「正解、というか、わからないけど。これはわたくしは繋がってるものだからそれがただしい解答だと確信が来る」
ふうん。ムー大陸にわたしは住んでいて、怖すぎる「偽りの絶対宇宙戦争」というものの際、数々の命が体からさよならバイバイだを告げて、なんか「黄金」の瞬間の前や後に、「夢の国」の形になった。それは幽霊だから浮くね、多少。
「それは普段、亡霊が生き物と接しないのも納得かも知れませんね」
「浮くのだ」
「確かに。」
なんかあれだ。川があるじゃあないか。川水に、時には魚が住んだりして、その魚は「水面の泡」はあまり知らない。知る筈がなかろう。水の中を泳ぐからな。
「そして人が寝てる間は、その意識がなんか飛んで、夢と言う行動を取るのだ」
「ほほ」
「「生前の情報」「記憶」「記録」「エーテルの術の施し」「過程」「結果」「視覚・聴覚を含めた多彩な感覚と」」
「「過去」。ぜんぶ混ざってますね。」
「そうだ。その過多した渦の去った跡はそこで意味があるものを取るのが難しいのだ。だから夢は何が何だかわからなくて、「何かを予測するかもしれない」とも言われ、それがぜんぜん当たらなくても、とりま人々に不思議な気持ちを与えるものなのだ」
「めっちゃ混ざってるから」
「そう」
確かに一国の生命体が、わたしが学んでる(だいたい忘れてる)「古代魔術「木」」で学んだ数々の「種」の個体が全部散り散りになって、その平凡の体がエーテルのカタチに変換されたとか、命の部分だけが亡霊になったとかしたら、その量は凄いものだ。
「ムー大陸」の時代はどうでもよかった、名前さえ付けられなかった、すぐ溶けて振られて降りて変わったかも知れない情報が、めちゃくちゃ積んだから、もう「国」にもなってるのだ。
「ふん、その「夢の国」と、ブイオ様が何回言ってる「夢の国の、座標の衛星」はどんな関係ですか」
「それはいったんノリで言ったものだ」
「ノリですか…」
「まあ、系統を探ると関係がぜんぜんない訳でもないけど。わたくしの座標は根本的には■■■■■を記しているから。示して、指しているから、この星の夢の国と、いつかわたくしが戻れるといいな―と思うカタチのその夢の国は、いったん違うやつだと言えよう」
「ふむ。なんかわたしの「森の姫様」みたいなもんですね。」
「そうか」
「てか、「森の姫様」が「夢の国」の君主でも違和感なくないですか」
「おおありだわ」




