魂を分けるのはどんな感覚か
「まあ、できるか否かもわからない「欠片を与える」は後のことで良いでしょう」
「そうだ。思いついただけだ」
それもまた、なにかの術のアイディアになるといいな。
「もちろんわたしは「そう言えば」一言で、先までなに喋ってたかぜんぜん忘れちゃうから、今の話題自体はずっと言うけど。
「欠片」を与えるというのは、いったん「ここにあるのに」分離されてる判定になるのではないでしょうか。「わたくしもブイオ、あっちもブイオ」みたいな感じじゃないですか。
わたしに比べると、まあ、「木のエーテルが半分こ」になると、それは二人になるとか?」
「確かにわたくしと他の欠片の感覚はそんな感じかも知れないな。星の質量と人の子や■■■の質量は差が程遠いだが」
「物語性を持つ以上、デカさはそんなに大事なことではないかもしれませんね」
「こいつ偉そうに」
「でもそうでしょう。わたしはちゃんと今「ステラ・ロサという名前」を貰ったけど、「クララ」としての自我を維持してますから」
「そうだな。」
物語は凄く強く主張して、それを続くのができると、その物語は強いのだ。でも、質量が足りないとその分物語の精度、熱量、固さと今の流行りが多少足りないと思うのだ。そこで「差」が出るんだな。
「ふふ。
まあ、物語性が多少尖ってるとしても質量が違うから、それは「品」の差になる。
わたしは半分になると、人の子として自我ができない感じになるでしょう。自我が一人分だからです。そして、それが本当に復活ができるか、もし「半分こ」をやるとか、それが失敗したら終わりだから、ぜったい試しもしないと思いますが。もしわたしがもっと多い熱量がコントロールできるようになるなら、「ステラ・ロサさんが二人、三人」も出来るかも知れません」
「どっちが本体になるかわからないだろう。だからわたくしは「ちゃんとわたくしがブイオで、相手が欠片だ」と見分けるのだ」
それが問題だな。ブイオ様の場合と逆に、わたしは問題がなさそうだから問題だな。
「まあ、わたしはわたしが本体ではなくてもいいと思いますから、それは安心だと思います。「ステラ・ロサが」頑張って生きるとそれで十分で、わたしが見分けることができないくらい本人であると、それは本人です。」
「自意識が強いか弱いかどっちにしろ」
「これはもう「クララ」が一回死んでるのと、深紅の悪魔の性質です」
「確かに」
前者は言うまでもない。わたしは「10歳」の感覚があるけど、確実に一回死んだ。亡霊なのだ。今更自我を出す理由があるか?まあ、それがこの物語だけど、「クララとして蘇り」話は望まない。そうなのだ。
深紅の悪魔は…人から見ると奇怪だな。
キノコの形で胞子の生態。体に甲殻がある知性体という点はクララの常識では虫人間みたいな感じかも知れないけど。
根本はきのこだね。
そんなに記憶はないけれど、
とりあえず、そいつらは名前もないのだ。自意識が強い訳がない。
でも、知性体を支配して操る事ができるのだ。自意識が弱い訳がない。
どっちだ?はは。
それが「深紅の悪魔」だという事なんだろう。
「だから、「一人の自我を維持するための情報の量」や「安全さ」が問題であって、わたしは「わたしだけがステラ・ロサだ!!!偽物は認めぬ」みたいな話は発生しないと思いますが」
「断言はできないだろう」
「それもそうです」




