おどる #桜嵐 森の姫様の解釈
「わたしは普通に病弱美少女のクララちゃんなので、前のものはなんとなく理解ができますが」
「君は急になにを言い出すのだ」
深紅の悪魔とやらが何が美少女だ。そしてそれがなんの役に立つ。
「まま。大事なのは、最後の。「飛べる」とはどういう事ですか?理解ができない」
「それか。確かにわたくしも君の状態を見る前は想像もしてなかったことで、説明する意味があると思うね。」
集合体恐怖症キラーは、それ即ち「多い」という詳細属性を持ってるのだ。だから、その視覚的な、聴覚・触覚・情報の処理をするのが「疲れて、難しいから」ちょっと無理である。そして、それは系が一つである存在と比べても先の「キメラ」というものの意思決定やエナジー消費とかを考えても同じことで、今のこの民、「灰色の呪い」とやらも同じだ。小っちゃいものが多いから、一つの意思がなくて、動くこともできない。性質に従って浮くだけだ。
「わたしの状態?この人の子の子の意識をちょっとお借りして、「呪い」の胞子が全部集まっている形のことですか」
「いかにも。その形は「深紅の悪魔」と違って、小さい。でも、今の君は難しいけど、そのまま「星化」ができると、その胞子の状態で動くこともできると思うのだ。何故なら、「名前」で縛って、「役目」を貰うから」
「ほうほう」
「まあ、神話生物理学的に説明すると、ただ表面積が広くなって、大気の溶存エーテル濃度が低い状態でも反応ができるようになって、他の物質と雑に混ざる事が無いように、特別な処理を行うという事だが」
「それはどういう言葉なのか一つもわかりませんね」
「そか」
「ちょっとはわかる気もしなくもないけど、わかっちゃ負けな気がします」
型物理性の制限が入ってるな。
「うん、とりあえずわたくしの眷属になると、もしかすると意思を保って飛べるようにもなる、という事だ」
「もしかすると?」
「そう。わたくしは初めてやるのだから」
「なるほど」
実はもちろんこの星の民を逃すとわたくしもやばばのやばなので、契約を結んで自分の存在を安定させるのが本当に大事なのだ。「ティンダロスの猟犬」を召喚するつもりである。
「少女の方の意思はどうだ」
「深紅の悪魔としての意思は問えませんか」
「なんか他の選択肢がないだろう」
「それもそうですが。そうですね。わたし、クララはもともと今死んでる状態で、他の処を見たくて、ここに来て、「フィレンツェ」を見ることができて、結構満足です。そして、見るだけで、分からなかったり、もう知ってたり、超怠かったんですけど、」
「灰色だからか」
とりあえず、属性はエーテル。エーテルは色。そしてなんもできない色は灰色なのだ。
「あーそうですね。今理解しました。これが絶望か。まあ、こんな経験もいいと思うけど、もっと彩りを見たい。色彩を見たい。」
「わたくしはこの星の情報はほぼ「兵士の国」というところの情報しかないけど、たぶん色々の国は、色んなものがあるだろう」
「はい。この世界の所々に歩いて行きたい。なんか走って、星のチカラの縁を得たならそれは本当にかっこいい事だ。可愛くて、綺麗で、みんなが「それは白神女みたいだ」と言えて、わたしは「白の子」として生まれた運命を他の贅沢な娘に「そこ代わって」と言う必要も無くて」
「ふん。」
なんかピンと来ないけど、契約に真剣であることは良い事だ。
「自分がなになに戦争で追われた両親の、森の隠れ里の娘として、何かのお偉いさんに復讐したいとか贅沢に生きたいとかそんな欲望はありありかも知れない。でもそれだけでは無くて。伝説のものみたいに、御伽噺の少女みたいに、騎士小説の姫様みたいに」
「姫様」
「そう。森の姫様になりたい。その理想は贅沢な生活ができる理想郷とか、そんな形でもありましょう。でも、人は今の環境と条件に縛られるものだ。わたしはこのように「星」に出会ったから、その眷属になれる状態になったから」
「言っておくが、ちょっと違うかも知れない。わたくしははじめてやるし、その君の理想の「森の姫様」というものがなんなのか理解ができてない状態だ」
「まあ、それが理想というものです」




