わたくしと契約してよ
そんな感じで、バラバラになってるクララという少女は、自分の複製がもう二人もできていたとは絶対思ってないまま、時間がちょっとすぎて、また「狼の星」との話。
「芯」が崩壊して溶けて散る直前であった。
「まあ、とりあえず混ざったものという事ですね」
「そうだな。お偉いさんの印と深紅の悪魔の合成という事だ。そして、それ「に」人の子の子の意思が一時的に宿っている」
「そう。わたしは同時にこの都市国家、フィレンツェの税金払ってる民ではないけど一応フィレンツェ出身ではある。そんな感じ」
「そか」
税金がなんなのかとかは問えてない。
「それはわたくしのこの人格を作った「兵士の国」というところにもある概念だったから」
「まじでどこにも税金あるんだ」
わたしはあまり感覚がないけど、たぶん大変らしいので、いい感情は持ってない。
「ともかくだ。くらら。今の君の状態がわかるか?」
「まあ、死からちょっと生きり散らかした意識が終わって、あれですね。本当に起きることないおねんねになるという事ですね」
「そうだ。そして、この人の子の都市は意識を失った何人分の「灰色の呪い」が爆発するのだ」
「へー」
「「へー」じゃあないわ」
「でも、正直わたしはその時点ではもう死んでた意識すらもなくなったあとじゃないでしょうか」
それはそうである。
「いや、わたくしはこう見ても星だ。知性あるものが住むところの一部だ。そういう未来があるのを知って、黙って見るのはちょっと喜ばしくないと感じる」
「何が言いたいですか」
これは、まあ、いい話ではないな。
「わたくしと契約して、生まれ変わる事ができる」
「ほ」
灰色の少女はちょっと興味があるようだった。
「わたくしは今、ボロボロになった星の存在で、正直このままいつ機能が停止してもおかしくない。素直に言おう。今のわたくしは、眷属と言えるものが必要なんだ」
「眷属とは」
「星の周りを示す、小さいものになって、眷属はわたくしの存在を証明して、わたくしは眷属の存在のチカラを維持する」
「ということは、わたしはこの意識が維持できると?そうですね。今の「深紅の悪魔としての」意識も、少女の、わたし、クララの人格が消え去ると寝るのです。考えるための動力がないから」
「正しい。だから、その気持ちを維持して、星のものとして生まれかわる方法がわたくしにはある」
「その方法は具体的にどんな方法なんでしょう」
「星化と言って、まあ、ただ使い魔を作るための色彩技だが、この場合はわたくしの緊急事態なので、ちょっと品が高い行為である。気の通路は一方的だが、互いに存在力を共有するカタチになるのだ。」
「ふん、話はわかりました。でも、もう二重の意味で死んでるものですが、それになって、わたしが得るメリットを尋ねてもいいでしょうか」
「そうだな。❶飯が食える。君は人の子の子の姿を取ってるから。わたくしのこの星の常識で、人の子は活動することに食物を必要とするから、これで「エーテルの勢い」の分が少ないとしても、補充ができて、人の子として生きるにもいいだろう。❷意思疎通でエーテルが得られる。今の君は「霊属性」で強く尖っている状態で、周波数が違いから一般のものと意思疎通が難しい。」
「先、鹿というどうぶつたちと意思疎通できましたけど」
「そう。そんな「エーテルの適性があって、心の言葉でなんか通れる」ものはできるだろう。でも、根本的に人の子は属性が違うのだ。「幽霊は喋れない」とか聞いたことないか?」
「めっちゃありますね、御伽噺とか怪談とか」
「うん。それが喋れるようになるのだ。そして心のチカラは即ちエーテル。それは常識だよな」
「わたしは正直「深紅の悪魔」として欠陥があったけど、それくらい知ってますね」
「うん。そして最後だ。❸君、たぶんこの環境で飛べるようになるのだ」
「なに!?」
「メリットはこれで十分か」
まあ、嘘はだいたいないか。




