トリプル・ファントム・カンバセーション
「なんかめっちゃ気分悪そうな目線ですが。なんでしょう」
「それが…バラバラじゃないか。■■■として」
「それはそうか」
75000年もこのカタチなので、わたしは正直、自分の粉々の形に慣れていた。
羽とハサミと足が何本付いていたかも忘れた。(嘘である。羽が4枚で、ハサミが両手、足4本だ。まあ、一般的な深紅の悪魔だな)
「ふん、なんでこんなところにバラバラになってるのか。名がなんだと?」
「くらら」
「ふん、くららか。■■■は基本的に脳みそと脳波を吸って、闇に潜んで気持ち悪い計略とか築いたりするけれど、このような広い所で何をしてる」
「この星に着いたばかりなのに、なんか全部知ってるような様子」
「これはわたくしがこの星のものの「祈」の影響で、知識を得たからだ」
「へー」
なにかのチート知識か?
「そして、さき君が言った通り、わたくしは惑星ユゴスから来た存在だ。まあ、その惑星の芯の一部だけど、今は破壊された!だから、星の亡霊とも言えよう」
「珍しいですね。わたしは深紅の悪魔の亡霊と、人の子の子の亡霊です」
「ふん」
「なら、結構大変ですね。ここから惑星ユゴスには戻れませんよ。まあ、本当に資源を入れるとできないわけでもないか」
「いったん。いったんわからないから、チカラをもどしながら時間を過ごしたいと思ってる」
「そうですか」
「たぶんこの星に、流れ星がめちゃくちゃ来ていると思うけど、もちろんそれは大体、惑星ユゴスの欠片だ。それはわたくしにとってはチカラの血肉みたいなもので。それを集めながら考えたい」
そんなに考えることが得意な星には見えない。
「なんだーコノヤロー。粉々になってるミ=ゴにそんな感じに思われたくない」
「勝手に心の言葉読まないでください。そしてイメージ的にミ=ゴはマジでやめてください?」
「表現は注意する。うん。でも、君は存在が不安になっていて、考えがめっちゃ漏れてるのだ、いま」
「そうか。そうです。わたしは今この子の残留思念も散り散りになっていく所。すぐ「灰色の呪い」というものになるでしょう。戻るでしょう」
「「灰色の呪い」?本当に初耳だな」
「それはたぶんこの星の偉い人が勝手に作った、■■■の粉でできているキメラみたいなものです」
「キメラとはなんだ」
「色々混ざってるものを言います。頭はライオンで、背中にヤギの頭が付いて、尻尾が蛇だっけ?」
「なんでそんな面妖な構造の生き物が…」
「まあ、ただそういうのに憧れるのです、この星の知性体は」
「効率的ではない…頭が付いてる分、余計に脳みそという凄くエナジーちゅうちゅう器官を三つも回すことになるのだろう。そして思考回路も混線があるだろう。口とか、目とか。あまり意味ないだろう。ただ「いっぱい欲しい」だけのものだな」
「それ、何かの物語のパクりでしょう?」
「それが人の子の「ウルト」というものだ」
ふん、言葉返すの上手いかよ。




