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わたしは多分俺強い系主人公にはなれない
話者切り替えだ
わたしだけど
ステラ・ロサさんです。
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始の時代
1473年
1月1日
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まあ、まだエンブリオくんの家です。
実はですね、彼に、きみきみ、偉そうに言ってですね。
わたし、ドルイドでもなんもないんです。欺瞞だ。そのフリをしているだけです。
いや、ドルイドではあります。ちゃんと知識もあって、エーテルも操られるし
呪術も使える。
でも、どうしてこんな運命になっちまったのか。
頭の中はずっと混ざっているままで。
綺麗に整理ができることは、たぶん
これからも、わたしが「森の姫様」になろうと、ないんだな。
エンブリオくんは、わたしの適当な話に納得したようだった。
(本当に頭がよさそうだ)
「多分あれだろうな…」
と、頭を傾けて
人差し指を回したり、自分の側頭を軽く叩いたりしてた。
エーテルの操作だ。
わたしがわたしに軽く説明すると、
子供の頃から風邪で死にそうになった時、何回見てくれた、ドルイドのばあちゃんがすべての始まりだったかも知れない。
「白神女」の憧れも、「森の姫様」の妄想も、そこから始まった。




