真冬の森は本当なんもないけど
でも、確かに御伽噺ならありえる話だ。だからわたし、ドルイドとして75000年くらい生きた(その大体の時間は死んでたけど)ステラ・ロサさんは、廻をチェックしながら、最小襲撃されることは無いだろうな、とか注意してフィレンツェに戻ってる最中。
本当筋トレはいいものだよ。
「そう言えば先、門で見てた非凡のものが居ましたね。顔になんか付けてましたね」
「あれは眼鏡だ。ふつうに何人も見たろ」
「あれを眼鏡と呼ぶのか。なんの意味なんでしょう」
「ふつうに目が良くなる」
「へーなら、わたしがクララの時期には視力くっそ悪くて、■■■の時期はそもそも眼という器官がなかったのと比べて、めっちゃ「エーテルの流れの認識」や「呪文の方向の指定」などがよくなるかも」
「いかにも、人の子は目の情報が大事だから。」
わたしはふつうにクララの方も深紅の悪魔の方も完全記憶というか、
その時のイメージを嗅いで、目に映して、聞いたもの。それを何かの一つのものとして覚える特性を持ってる個体なので、
ふん、ここで覚えるのだ。
普通の見た目の茶髪の頭に、背は結構大きかったと思う。属性は知らないが、「木」の素質があるものだ。そしてくっそ強い。
「だいぶ把握できるな」
「目がよくなりたい!も、「星化」の時に願ったから」
「確かに」
「少年と話した様に、薬師として働くと、普通に関わる人かも知れないですね。「木」と「なにか」を持ってるから、たぶん魔術ギルドの所属ではないな」
「なるほど。他の「火、水、土、風」を持ってそれを盛ってたなら、感じれてないだろうから」
「そそ」
「霊」みたいに、この世には「四属性」と「木」以外にも、他のエーテルの類はあると思う。
ふん、例を言うと、この「雪」とか、「砂」とか、「鳥」とか。
「適当すぎるだろう。「水」と「土」と「風」でよくないか」
「そうなんですけど。まあ、人の子の社会はどんどん複雑度が上がる傾向がありますから」
「何のためにそうなるんだ?」
「面白いから」
そして、そろそろフィレンツェのデカい門にたどり着いた。旗は回収されずに済んだようだ。
「川辺→家→川辺→家→川辺→家繰り返すと、なんか変化がないかも知れないな」
「まあ、世界に「深紅の悪魔」はずっと生えるだろうし、ゆっくり行きたいと思います」
午後だからか?道でめっちゃ見られてる。そうでしょう。わたしは綺麗な女性なのだ。
そして、最後の難関だったが、少年の、いや、うちの家も普通に開けた。凄いな。
室内。
「多分人それぞれのエーテルの個性を感じ取って登録する仕組みなのかな」
「ふん、なるほど。同じ呪術や魔術や魔道具だとしても、明らかに触れた術師が違うとそれはその過去が残るから。そう言うのを嗅ぐんだ」
「元素魔術「風」のものなんだろうか。」
「たぶんそうでしょう。そして「「土」で接続」する感じがする」
「優れたものが集まるところだな」
確かにいちばんイケてる国だ。
「うーん、わたししかできない何かの商売の戦略みたいなものができそうだけど、わかりませんね」
「元素魔術でも勉強するか?」
「そうですね。ちなみにまだ読めません」
「形を覚えて、整列が整って、急に見えるようになるだろう」
「そそ。「ムー大陸」の文字がまさにそうでしたよ」
だからわたしは、また「目にゴミ入った人」の本でも開く。




