一方その頃
一方その頃。わたし、桜のドルイド、ステラ・ロサさんはのんびりと少年の書物を読んでいたところだ。
いやー室内はいいな。
「そろそろお日様も上がってるから、流石に動く方がいいぞ。そして普段も少年とほぼ同じ時間に出てもいいだろう」
「まあ、そうでしょう」
わたしはなんか安全の装置があるとエンブリオに聞いてるが、朝出る前に、それを刻んだとか、それが実際に「ギルド員の家族」みたいな制度があって、後でなんとか、言ってたけど、聞いてなかった。まあ、とりあえずわたしはドルイドであることを隠してるわたしは、少年、エンブリオのなんかの同居人になってるということで
ふん、やったぜ。フィレンツェの身分を手に入れたのだ。
これで、本当にこの郷では「きみ、身分の証明はできるか?ふんふん。確かに携帯の魔力なんとかで通るな。こりや失礼いたしました。通ってどうぞ!」みたいに通れるようになって、それから急に「で、職業は?」「えー薬師の仕事を準備してて…」みたいな感じに流れるのだろう。(ぜんぶわたしの想像だ)
そろそろ「目にゴミ入って苦しむ人」の絵も飽きたので、体動くの好きだから。外出することにした。
なんか魔力刻印が泥棒を防ぐらしい。これだからこのヨーロッパを制してるのか。未来だ。
適当に臭う道を通って、何回目の、そしてこれからずっと通ることになるであろう経路で、自分がいつも体術の鍛錬をする川辺を向かう。
「利用するだけかも知れないけど、まあ、わたしは使える物はぜんぶ使いたい」
門番も通って、デカい門も通って、
ほ、「非凡」のものも普通に市民として通るな。流石魔術ギルドって凄いな、と、なんか夢で見たかも知れない大男とすれ違い、山を向かう。
そう言えばお金はまだないのだ。確かに。
でも、エンブリオはまだちょっとの「生活維持費」がギルドから出るらしいので、それで普段のものと服と本と色んなものを買うらしいので、うん、やはり真面目に薬師として稼げるようなナニカの方法を見つからないと「贈り物」だけじゃなんか喜ばしくない。生活力がなさすぎるのは駄目だ。「古代魔術「木」」を、やばくない限り金に換えよう。とか思いながら、なんも持ってなくて、マントに杖も狼も隠している白髪のわたしは完全に野にでた。
本当になんも持たぬわけでは無くて、パンは一個持ってるけど。持ってもいいと言ったから。でも、これは非常食だな。
「今日からは暮らしが良い、戻れる場所がある薬師(志望)さんだ」
「ちゃんと調べると、ふつうにドルイドさんは薬師みたいなもんだから」
「そうです。何回も言ったけど、「薬」と「呪術」「医療」「穀物の育て」などなどが全部できるものだから。こどもの頃からそれは知ってた」
そのクララも、今のわたしは10歳からちょっと離れてる155㎝の成人の見た目なんだけど。ふん、5年、10年経つうちに、実際の見た目も年に合うことになる。




