流石に魔術の授業に行くしかない
「かわいい」
「そうだろう?」
流石にけっこう寝てたので、そろそろ授業に行かなきゃいけないのだ。
「今日から、ここはドルイドさんの拠点だから。安心して暮らしたり出入りしてください」
「ありがとう」
ギルドに行く準備をした。昨日の帰宅の時にもちものは同じだったので。適当に上着とちょっと違う本と。そう言えば洗う事と着替える時はどうなるんだ?
「これから多分午後の中間まで、ギルドで勉強すると思いますね。そしてパンはちょっと余るので、非常食として持っていてもいいですよ」
「わかった」
「ドルイドさんは毎朝の鍛錬と、いつ探知されるかわからない「深紅の悪魔」の仕事もあるから。ただ「薬師として仕事を探している」の状態で十分、まことなんですよ。気楽に暮らしてください。魔術ギルドは太くて、おれは頑張りますので」
「そか」
そしておれは、流石に一緒に暮らす人がいると生活が変わってくるな、これから準備したり、合わせることが多いだろうな、とか思いながら家を出た。魔術ギルドに行くのである。
いつもの街を過ぎて、道をすぎて、魔術刻印を出して門を通る。おはようございます。
「おはようございます」
「おはよー」
中央堂から火の堂は近いので、同じ用事の人以外は目にすることがあまりなくて、「水」や「土」の人と出会うことはほぼ無くて、黄色い芝と土を通って、堂の一階の講義室に入った。まあ、こんなにデカいホールが何個もあるわけではないけど。
周りの生徒たちはほぼおれより年上で、せんせいより年上で、ギルド長よりも年上だったりする。
もちろん、ギルドは実力主義だから。ふつうに魔術と魔力で決められて、政治的にも自分の座を固めないとここの位置を維持できない。(それはなんかガブリエル教授からいつも聞いているきぶんだ。だいたい自分のことのように感じられる)
おれも「生き残る」と、ここで一番偉くなるのかな。せんせいになったり英雄になったりするのかな?
「ムー大陸の記憶」の御蔭でぜんぜん明瞭になっている教科書のページを開きながら、おれはただ本を読むフリをした。
フレイム・アロー、ファイアー・ウォーキング、炎弾、防火も。
そして、ミカエルさんがホールに入った。
13歳だと思うけど、まあ、今まで助けた人は数え切れないだろう、おれの命含めいっぱい人を助けた英雄だ。
つまり、その数以上に人を焼いていて、その事実から離れられないかわいそうな人である。
「おはようみんな!」
「おはようございます」
そして、魔術は呪文と陣をちょっと覚えるだけでいけるものではない。
ギルドの優秀な火の魔術師を育つことを目的にする、今日の授業は始まったばかりなのだ。




