属性(ぞくせい)
「まあ、とりあえず、きみが入っている魔術ギルドという賢者の集団があって、今わたしが食ったパンがそこから出た恩恵だということをわかった
ご馳走さまでした」
「いえいえ」
「とは言え、少し変だ。きみの適性だ」
「おれのです?」
ステラ・ロサは頷く。
「うん。わたしの知識では、ドルイドの知識では
この世のものは普通のものと、珍しいものがあって、
きみは明白に珍しい類だ」
「まあそうですね。ギルド長にもそんな感じで言われた」
「うん。でも、ならだ。
必ずきみには「向いている属性」があるはずだよ」
おれの一番痛いところだ
もう自分の人生の四分の一を曖昧少年で過ごしている。
「そう…ですね。いつになると「元」「素」「魔」「術」の中で、おれの得意が出るか。はは、困ったもんです」
でも、そこで
ステラ・ロサさんは言ったのだ
「違う」
「はい?」
赤い宝石のような目で、おれの顔を直視して、
貫くような目線で、定めを下る大きな巨木のように
おれを力強く
瞳に宿した白い花びらと共に判定した。
「きみはそのうちの一つを選択するのではない。
選ぶのではない。
選ばれるのでも、神様の下部が現れて
おまえの属性はこれだ!!!と示してくれるのでも無くて
不思議な帽子を被ると言ってくれるのでもなくて
目が覚めて、
朝の風を吸い、
夜明けと共に、白い世界の中で、自然にわかることだ」
「自然に…」
「それがエーテルの属性というものだ」




