轟のラファエル
「まあ、個人でやってるわけではないけど、そのリソースとシステマと人力を管理するという事ですね」
「それはそうだ。そんな事が一人でできると、賢者の郷くらい作れる」
「はは」
なんか二人の秘密言葉みたいな感じになってるな。
「で、そのギルド長さんはなんで「轟」なのか。どういう意味だ?嵐を起こす?」
「あ、それは轟くからです。音が。攻撃の魔術です」
「音を使う魔術か。確かに「風」もあってる」
「目的性は同じで、属性が違う事もありますね。この場合「風で音が鳴る」を積み重ねて放ちますね」
「お水で手をこう、集めて水が出る感じか」
「わりとそんな感じかも。遊んだことあまりないのに例えが上手いですね」
「父さんと弟はよく遊んだ」
「そうですか」
「まあ、わたしも完全に外に出られません、まではなかったけど、普通によわっちで危なかった」
「そう」
そのわたしが今は普通に平凡の人としてはよく動くから、本当に珍しいことだ。
「まあ、その、「風で音が出る」を集めて飛ばすと、攻撃として何になるんだ?切れるのか?」
なんか風で威力を飛ばすと聞くと、葉っぱが躍るイメージがあるから。その葉っぱが切るとか連想するんだ。だから、以前は「「呪術」葉っぱ突風!!」とか放ってみたけど、まだちょっと違うね。20年くらいは修行しなきゃいけないかもしれない。
「いいえ、殴ります。」
「風で殴る!ぴんと来ないな」
「こんな感じですかね。」
そして少年はわたしに直接何かを試すのでは無くて(丁寧でよし)
自分の机から革の紙を(もちろん紙は皮で成ってる)持ち上げて。そこに手を合わすと、もちろん音が出て、紙もちょっと揺れた。
「それが凄く強いから、遠距離で殴る事になるのか。もちろん大魔術師さまだから、その「方向」も調整して「集中」もするだろう」
「理解が早い!」
「へへん」
つまり、いま少年がやった手合わせをめちゃくちゃ強い単位でやりながら、それの何かの音の威力を、水遊びをする時みたいに、エーテルの制御で上手く絞って、叩きたい所に放つという事だ。
「弾丸が無くて、透明で見えず。まあ、切る攻撃などは鎧みたいな感覚で防げますが、」
この騎士小説オタクが!!!
「えーと。確かに、ハンマーや岩みたいなものに殴られると、鎧が揺れるとか、そのまま飛ばされたりして相当やばい」
「そうです。だから、まあ、くっそ強いという事で。でも、それは「風」属性を持ってるとしても、今の正規の「元素魔術「風」」のコースに入れる事ができない、相当高度の魔術だから。ギルド長しか使えないのです」
「なんか、魔術はみんな同じ術を同じ呪文で行う奴だったと思ったけど、そういう固有なものもあるもんだ」
「そうですね。めっちゃ珍しい。共通の呪文があるわけがないですね。自分が納得出来たら働くのです。なんか、おれを助けて下さったときの、「再回」みたいな」
「なんで覚えてる」
「完全記憶能力持ちなので。そしてドルイドさんの事が好きだから」
「存分に好んでいいぞ」
「はい。まあ、そんなギルド長がいるから、「風の大魔術師」が長を兼ねるから、その助手の風の魔術師のせんせいたちもめちゃくちゃ強いけど。ちょっと薄いですね」
「そうなんだ」
「もちろん人に対して薄いとか言わない方がいいけど。あえてここは魔術ギルドの「火・水・土・風」の四人を上げる感じになりますね」
「えーと、「水」と「土」はなんか女性ぽい」
「それはどの理由で。一応おれは情報共有の方が大事だと思ってるからばらすけど。ギルト長と「水」が女性ですね。火と土が男性。」
「なんか君が憧れそうで、火は男性だと思ったけど。「土」もそうだったな」
「確かに、土の。この人の仕事は植物の生産関連だから、印象的にはドルイドさんに親しい「白神女」さまが連想できるかも知れない」
「人の心はだいたい見てるもの、思ってるもので決まるもんだ」
ふんーそうだな。よく覚えてないけど、もしかするとこれは「賢者の国」関連だ。




