いちゃいちゃとはなんなんだろうか
「今の会話で大体通ったと思うのだが」
「はい」
「実は、ステラ・ロサさんは人とはちょっと違うね」
「「深紅の悪魔」とのなにかの関係なんでしょう」
「うむ、その答えは明晰なきみに言わせるかとも思ったけど、喋っちゃう。「終わった深紅の悪魔と人の混ざり」がわたしである」
「ちょっとよくわからないですね」
「本当に詳しくわかってるわけではないけど、「深紅の悪魔」を叩いて得た「記憶」とわたしの黒い影の狼と相談して、そう結論付けてる。わたしは、たぶん最近死んだのだ」
「ふむ」
この物語も長くなり始めたから、これからの恒例になるであろうあらすじみたいなものを簡単に述べると、わたしは桜のドルイド、ステラ・ロサであって、「狼の星」から来たと言う星そのものに出会って、その星をなんか「神様」に立てながら、そのついでに「森の姫様」というなんかの凄い王様みたいなものになるために、その目的に噛み合う「深紅の悪魔」を討伐する使命を持っているものだ。
頭はピンクが混ざった白、服はピンクでマントは緑。赤い宝石の瞳と赤い宝石の杖を持ってる。
「あれこれ。これからきみは、結構親しいものになるだろうから、これがわたしが推測する「賢者の国」だ」
「ムー大陸ですね」
「なんか親しいと思ったけど、そこがムー大陸だったのか」
「おそらく」
「ふん。そうか。実はわたしはその「賢者の国」。ムーとやらが今どうなってるのか気になって、狼さまと仮説を23個くらい立てたところであるが、今は「粉々になって、空中で燃えた」が結論だ」
「その話題はおれも気になります。その推測の理由とは?」
少年もなんか「賢者の国」に興味あったね。
「白神女が、「賢者の国」の呪術を持っているのに、今の世界にそこの言葉も、文字も、居場所も残してないから。なら、この世では無くて、空とか完全に別世界にある国だ。「白神女」は行って、呪術を貰っただけ。言葉と文字は残す意図が無かったという事だ。
でも、完全に分離された世界ではないと思うのだ。
この世界に「灰色の呪い」という、おそらく「深紅の悪魔」の成れの果ては存在する。という事は、「木の上の粉雪が落ちると、粉々になるけど、地に落ちてはおる」のと同じく、空から粉々になった「賢者の国」、「ムー大陸」は、なにかの理由で「深紅の悪魔」の粉だけが残ったのだ」
「ふむ、「賢者の国」の言葉と文字か。興味深い。まあ、多分正しいと思います。実はおれには「賢者の国の始めと最後」の記憶があるんです」
「へーそうなんだ。でも、それ、7巻くらいで話す話題ではないのか?」
「これが頭が良すぎるものは仕方ないという事です」
「なるほど」
「情報共有は大事。もちろん、おれはドルイドさんの一番大事な男の子として長生きすることに、先、人生の路線を決めたので、隠す時は隠して、逃げる時は逃げるけど、だからこういう情報を交わすものは限られているもので、ドルイドさんはその数少ない例外だ。たぶん唯一ですね」
「重い」
「それくらいがちょうどいい」
「うん。受け取ろう。そして「大陸」の結末は、あれだ。なんかみんなが爆発するとか、粉々になるとか、最後に凄く怖い思い出がある。でも、全体的にめっちゃ薄い」
「怖すぎて記憶消したとか?それもありえますね。自分の「最初の記憶」は、なんかお偉いさんが家族と話してる光景を見ましたよ」
「ふん。そうか。それはまあ、これからの楽しみだと言うことで。
先の話題に戻ると、「空粉々説」が「正しい」と判断したのは?」
「そうですね。おれが見たのは「金色の光景」です。なんか丸い形を描いて、国ぜんぶが、空すらも金色に染まって、凄いなにかの魔力で満ちていた」
「そして、そのあと、その膨大な魔力が爆発して、「賢者の国」は粉々になった?」
「そそ」
「ふん。なるほど。わたしに混ざっている「悪魔」はね、普通に飛べたけど、それはもともと「賢者の国」が空にあったから、そして、そのまたの空まで、「風」のエーテルの相性が良くて、飛べたかも知れないな」
「ふん」
「まあ、もう終わった国など、現代人は行くこともないし、文献が残ってないと、手掛かりはこのような面妖な魔力記憶の欠片だけだ。面白い話の素材くらいがちょうどいい」
「そうですね。真相はぜんぜん違うかも知れないけど。こういう話自体が正直おれは楽しくて嬉しい」
「それは、話し相手がわたしだからか?」
「そうですよ」
ふん、確かにその仕草は照れ隠しだ。お可愛い事。
「そういう目で見られると本当に恥ずかしい」
「可愛いやつだ」




