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お掃除タンバ 前編

作者: みぶ真也

「みぶさん、この間、駅前の掃除をされてましたね。選挙にでも出るんですか?」

 いきなり友人に言われた。

「そ、掃除?ぼくが?」

「ええ、朝早くから掃除してるんでびっくりしました。話しかけても気づかないくらい一生懸命」

「へえ~」

 全く覚えがなかったので、なんとなく言葉を濁しておいた。

 人違いだろう。

 数日後、別の知り合いから

「みぶさん、大変なんですね」

「何が?」

「この間、雑居ビルの清掃をしてましたね。コロナからこっち、役者だけじゃ食べていけないんでしょう」

「え、ええ、まあ……」

「頑張ってくださいね」

 今度も覚えはなかったが、何か割り切れない気持ちになる。

 それからしばしば、ぼくがビルの窓ふきをしていたとか、エアコンのフィルターを洗っているのを見たとか、妙な話が耳に入ってくるようになった。

 よく似た人が清掃の仕事をしてるのかとも思ったが、場所がそれぞれあまりにかけ離れているのでそうでもないようだ。

 同時刻に別の場所で掃除をしていたこともある。

 他人の空似では間違えないくらい親しい友達が目撃したりもしている。

 ぼくの偽物が複数いて、町を綺麗にしているのだろうか?

 ぼくが毎朝掃除をしているという駅前で、早朝から張り込んでみることにした。  つづく


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