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古代文明のオーパーツのお湯を飲んだらオレの職業が勇者から芸人に変わっちまったんだが

作者: 牛尾 仁成

 いや、ホント、ちょっと待ってくれないかね?


 オレはこんなことするために勇者になったんじゃないんよ。


 たまたま冒険に入った古代文明のダンジョン深くにあった熱湯風呂に落ちてその中のお湯を飲んじまったら、オレが装備していた武具が全部変わっちまったんですけどォ!

 

 あたま:ハゲヅラ

 ぶき:巨大ハリセン

 よろい:ステテコパンツ(縦縞)

 くつ:歩くたびにプープー鳴るやつ


 そこの賢者よ、助けてくれっ! これは一体どういうことなんだ?


「いや、勇者さん。そいつはキャラの盛り過ぎっすわァ」


 何でお前は俺のこの姿を受け入れてんの?


「そうは言っても勇者さん、その装備の強さ事体は伝説級の装備以上っすよ」


 えー? そんな訳ないじゃん。こんな薄っぺらいパンツとヅラよ? ハリセンなんてひのきの棒以下だろ……って、全部の強さ∞って表記されているぅぅッ⁉


「そんなに嫌なら、防具脱げばいいじゃないですか?」


 おお! そうか、あまりの事態に装備を外せることを忘れていたぞ。さすが賢者! ん? あれ? おかしいぞ? 何か、呪われているように脱げないんだが?


「あ、勇者さん。このお湯、何か古代のオーパーツ的なアレで、何か呪い的な効果がアレで、しかも教会で解呪できないアレらしいんで、もう一生そのままですね」


 うっさいはこのポンコツ! 何かめっちゃあやふやな言い方しているくせに、クソ程重たいペナルティをさも当然のように告げてんじゃねーよっ! ヘラヘラすんなっ!


「まぁまぁ、勇者さん、じゃなかった部長」


 オレの頭見ながら言うの止めてくれますぅ? 世の中の部長さんたちに失礼だと思わないの? 世の部長が皆こんな感じでハゲ散らかしているとしたら、もう誰も部長になりたいとか思わないよ? それとも何? 部長になるとハゲになる呪いがこの世界にはかかってんの? だとしたら今すぐ世界中の神父たち集めて解呪のお祭りでも開きやがれッ! 


「そんなことより勇者さん、わたし達のコンビ名はどうします?」


 はァ? オレらにコンビ名なんてねーよ。なに本格的に芸人として活動始めようとしてるんだよ!


「いや、わたし達お互いピンで冒険していたから、パーティー組んだ方がこの先冒険しやすいかなーって」


 ……お前の好きにすればいいよ。


「じゃあ、『古代文明のオーパーツのお湯を飲んだらオレの職業が勇者から芸人に変わっちまったんだが』でどうです?」


 それもうタイトルにつけてるから! いい加減にしろ。どうもありがとうございましたー。

後に二人は爆笑だけで敵の戦意をへし折るコンビとして、世界中で大人気になったという……

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