表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
万能戦艦イリスヨナ / 愛しのイリス様のためなら古代戦艦だって総て滅ぼすことができる【百合】 / 愛しい我が巫女姫のために艦隊作るよ  作者: MNukazawa
人造艦船のつくるミライ / ヨナの望む臨終 / 機動辺境王都カサンドラ / VS円盤海獣
87/630

政商グランツ家との接触2 / 商売の話

「ヨナ様の考えるイリス漁業連合に、私どもグランツ家も噛ませて頂きたいと考えています」

「それは、鋼材資材等を売りたいというお話でしょうか?」

「ないではないですが、そうではなく。漁業で得られる海産物を売っていただきたい」


私は身構える。


「グランツ家は資源ビジネスが主だと伺っています。私たちが生産するのは食料品ですよ?」


食品を扱うネットワークがグランツ家にないのではないか、というのと、そうでありながら漁業に噛みたい理由がわからない。


「我々が食品ネットワークを持っていないからこそなのですよ」


私の疑問に、グランツ氏はそう答えた。


「グランツは以前より食品産業にも食い込みたいと考えていたのですが、そこで売る商品がなかったのです。

すでにある小麦や野菜、肉は当然、既存の資本がおさえていますから。

我々にとって海産物は、喉から手が出るほど欲しかった、食品事業進出のための新商品なのですよ」


なるほど、グランツ家からはそう見えるのか。


「イリス漁業連合として、我々と組むメリットもあります。

確かに、既存のネットワークに乗るのも良い判断です。しかし、すでにある市場はどうしても変化を嫌う。

海産物という全くの新商品を受け入れてもらうのは大変でしょう。

新参である私たちと組むのは困難な道に見えますが、我々は彼らと違い、新商品と販路の開拓に貪欲です。

流通経路などの難しい問題はグランツが受け持ちます。

それに、商品に合わない既存のルールに縛られることなく、商品に合わせた流通が構築できる」


実現性はともかく、確かに魅力的な話ではある。

確かに私たちの商品には、専用の流通経路が必要になる。

なぜなら、海産物の性質としてーー。


「エーリカ様がおっしゃるには、海産物は河川漁業と同じで本来は足が早い。

だから、高品質な海産物を消費者に届けるためにも、賞味期限の長い野菜や小麦、肉と同じルートでは運べない。

河川と比べ物にならない大量の海産物を効率よく売るため、大陸で広く商売し利益をあげるためにも、いずれ必ず既存と異なる、高速な流通経路が必要になるはずだと」


エーリカ様は、イリス漁業連合と私が欲しいものを、的確に把握されている。

そしてグランツ家が欲しいモノとの噛み合わせの良さにまで考え至っていて、この会談をセッティングしたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
本作に登場する架空艦『古代戦艦イリスヨナ』を立体化! 筆者自身により手ずからデザインされた船体モデルを、デイジィ・ベルより『古代戦艦イリスヨナ』設定検証用模型として発売中です。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ