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VS戦艦1

出港したら安全だって言ったのは誰だったか。

(いや、私がそう言ったんだけど!)


『艦種はおそらく戦艦です』


ディスプレイに映る戦艦。高い艦橋。足元の2段の旋回砲塔にそれぞれ3本の砲身。


『敵艦の前方砲塔、2基6門がこちらに旋回中』


戦艦の重い艤装を抱き支える、お椀のように曲がった船体。

私の知っている戦艦には存在しなかったものとして、艦首には頑強な衝角。


『側面は目視できないが、艦種より推定される船体長さは320m』


300mのイリスヨナより一回り大きい。

戦艦大和が260mだったことを考えれば、どちらも超巨大艦船と言っていいが。


「魚雷艦のときみたいにはいかないわね」


相手は戦艦だ。重量があり装甲も厚いはず。正面からぶつかり合えば、イリスヨナが押し負ける。

魚雷艦の時も相手が回避しようとして中心をソレていたのが大きかったけれど。


『1基3門から本船への発砲を確認。弾着予測は約55秒後。目標を敵艦と識別。第一種戦闘配置へ移行』


発砲した砲身が次弾装填の角度へと下がる。

副長が問いかけてくる。


「回避行動をとりますか?」

「いいえ。どうせ初弾は観測射撃で当たらない。今は操艦の余地が欲しいわ」


言いつつ、念の為に盾を持ち上げておく。

敵艦がゆったりと旋回を始める。


急旋回でないのは、観測射撃の意味がなくなるから。

艦をあまり大きく動かすと、船体のブレをジャイロ系が追いきれなくなる。


対してイリスヨナは砲艦でないので、急転回も自由だ。

ただしこちらは弾数に余裕がない。


総員に、敵砲弾の衝撃に備えるよう警告。5秒後に衝撃。


『初弾着水。距離は最近で550』


着水位置を確認して、こちらも敵照準の精度を推測する。


『イリスヨナは回避行動にはいります。左にわずかに旋回』


直進のままではさすがに命中がありうるので、旋回を開始しておく。

まだ舵に余裕をもたせる。避けた先に偶然で着弾なんて、笑えもしない。


まだ距離があるから弾着まで時間があり、相手が射撃してから対処を決められる。

とはいえお互いかなりの速度で向かい合っているため、急速に距離が縮まっている。


敵艦が30度右旋回したあたりで、こちらも追従して旋回をかける。


「後方に艦砲を確認しました。側面を見せられると門数が増えてこちらが不利です。できるだけ、お互い正面を向き合う操舵をとります」


こちらも側面を見せると砲弾が当たりやすくなってしまうので、正面を向け続けたい。


弾着から約20秒置いて、敵艦、2回目の発砲。

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本作に登場する架空艦『古代戦艦イリスヨナ』を立体化! 筆者自身により手ずからデザインされた船体モデルを、デイジィ・ベルより『古代戦艦イリスヨナ』設定検証用模型として発売中です。
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