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古代戦艦の盾

「あれが、古代戦艦イリスヨナの盾」


古代戦艦イリスヨナの盾は、いつも使っている邸宅横の港湾の底に沈められていた。


イリスヨナ艦内から伸ばしたケーブルで壁面のインタフェースに接続する。

電力供給で、盾と共に川底にあった保管レールが立ち上がり、盾を水面近くまで持ち上げる。

イリスヨナにある増設盾用のアームを水面下まで降ろし、盾のジョイントと連結する。


金属が噛み合う、重く遅い音が水中を広がり足元まで響く。

水中から巨大な盾が現れる。


イリスヨナの300m級の船体を1/3以上覆い隠す、横長の盾。

見た目には、カヌーのアウトリガー。機能としては跳弾と狙撃対策になる。

同じ目的で、戦車に盾がつけられた時代があったはず。艦船以外は詳しくないけれど、名前はなんだったか。


イリス様がその様子を見て、私のことを心配してくれる。


「ヨナ、重くない?」

「全然大丈夫です。これなら左右に2つ持っても、ぜんぜん動きに影響ないです」


と言って、嘘ではないものの。

船体重量と比べて軽いはずはないというか、実際カタログ的には盾は船体と同じくらいの重量がある。


常時稼働の状態にあるイリスヨナ機関部の出力からすれば、速力低下は誤差の範囲だが、そのことが逆に不自然すぎて怖い。


副長が確認する。


「出発まで時間がないので、今回は左舷のみ搭載します。左右の重量バランスが崩れますが大丈夫ですか」

「それも問題ないわ」


船体と同じ重量を水面の上まで持ち上げて、どうやって船体のバランスをとっているのか。

正直、自分でもまったくわからない。

バラストタンクでどうにかなる重量比でもないし。


詳しくないヒトに説明すると驚かれることもあるのだが、貨物船に限らず、大柄な船は浮力を調整するために必ずバラストタンクがある。


古代戦艦イリスヨナには16もの細分化されたバラストがあり、さらに別に巨大なメインタンクまである。

まるで潜水艦だ。


ともかく、イリスヨナの演算能力とコントロールがあれば、盾による重量変化は問題にならない。

だが、無意識にやっていたことが意識した瞬間からできなくなるというのはままある現象なので、ちょっと怖い。

私も『どうして108本の足で歩けるの?』と問われて歩けなくなり討伐されたという『赤城のムカデ』のようにはなりたくない。


が、古代戦艦の仕組みを知らないままにしておいて、ある日とつぜん壊れてもやっぱり困る。

なので、どこまで古代戦艦の『仕組み』に踏み込むべきか悩ましい。


最近いつも、こういう時はミッキに調査を任せることにしてしまっている。


「そういえば、ミッキの方はどうかしら?」

「ヨナ、みにいく?」

「イリス様も一緒にいらっしゃいますか?」

「うん」

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本作に登場する架空艦『古代戦艦イリスヨナ』を立体化! 筆者自身により手ずからデザインされた船体モデルを、デイジィ・ベルより『古代戦艦イリスヨナ』設定検証用模型として発売中です。
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