幕間:イ魚連へようこそ12 / 不器用な義姉妹たちの添い寝、の顛末
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その後、数回ほど姉妹のお泊り会をしたのだけれど。
「どうしていつも、朝になるとアルゴばかり抱きつかれていますの?」
「ごめんなさい」
エルフって遠くから見ている分には美人だけれど、抱きついてみてはじめてわかることもある、ということを知った。
「わざとではないんです。義姉さまたちのことは大好きです。
でもその、ロイヤル義姉さまは美人だけど、冷たくて硬いので」
とはいえ、アルゴ義姉さまと比べたら、だけれど。
ロイヤル義姉さまは細く整った美人の女性らしい肉付きで、もちろん骨と皮で硬かったりなどしない。
でも、アルゴ義姉さまの体中どこでも指が沈むようなやわらかさと肌の良い匂いは、はるかに引力が強い。
とくに、添い寝中のまどろみ状態では抗いようがなかった。
「え、硬っ、って」
「まあ体質は仕方ないぬ」
「ごめんなさいロイヤル義姉さま」
アルゴ義姉さまが得意げな表情で肩に手を置いて慰めの言葉をかけ、ロイヤル義姉さまは魂の抜けたような表情。
「かわいい義妹に。義妹にっ」
そして、そのうち怒り出した。
「フーカあっ! もしもこれも含めてあなたの策略だとしたらっ、ぜったいに許しませんわよ!!」




