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金髪猫耳公爵令嬢童女へのあこがれ / 金髪ロール髪の同級生がいなかったら作ればいいのよ(?)

「金髪、エーリカ様とかぶるわね」

「はい?」


きっかけは、先日おこなわれた幹部候補生の顔合わせ。


集まった面々を見ながら、彼女の髪を見てふと思い、ぼそっとつぶやいた独り言だった。


「ああごめんなさい、考えてみたら、そうでもないわね」


イリス伯領地に金髪のヒトはたくさんいて、黒髪より多いくらいだ。

思い返すとミッキだって髪色近いし。


猫耳童女公爵令嬢なエーリカ様は、纏う雰囲気からして高貴で獰猛、唯我独尊なる実力者であり、反論の余地なく特別なお方だ。

髪色も鮮やかさと、しっとりした色合いの茶混じりで独特。


横からトーエが。


「縦ロールなんてどうでしょう。ヨナさんの知識では公爵令嬢はみんな金髪で縦ロールだって話をきいてから、やってみたかったんですよね」

「いや、たぶん私も読んだこと無いくらい昔の80年台少女マンガのステロタイプだし、そこまでしろとは言ってな」

「構いませんわ!」


しどろもどろの私の言葉に割り込んできたのは、金髪ストレート娘さんだった。

長い耳もかわいらしいけれど、私からすると耳より、長い下まつげに隠れそうな目元のほくろがキュートに見えて好ましい。


「わたくし達はこれからイリス様のもとで働くのですから。印象が薄いままでは名を売るどころか、皆様に顔を覚えていただくのもままなりません!」


だからといって特徴をつけても、顔じゃなくて特徴で覚えられるだけなのでは。


「わかる、わかるぬー。公爵令嬢って言葉に惹かれたんだよぬ」


もうひとり金髪少女が後ろから肩を掴んでうなずきながら現れる。

肩幅ほどある巻きツノを初対面で触らせてくれた彼女は、私の中で『とってもいい娘』にカテゴライズされている。

彼女はとある貴人家の妾腹の、しかも次女である。


そういえば、トーエから事前にきいた話。


この大陸において、政治経済に分野を問わず活躍する貴人はいわば有名芸能人である。

その中でも『公爵令嬢』といったら、あらゆる階層の女子があこがれるファッションスター。


対して、イリス漁業連合に集まっているのは、次男三女に腹違い。

自己認識からして日陰者である彼女たちとしては、日の当たるところを歩く公爵令嬢への愛憎が強い、ということらしい。


「トーエさん、わたくしも縦ロールしてみたいぬ」

「いいですよ」


人当たりのよい笑顔で快諾し、トーエはさらに余計な一言を言った。


「もうひとりいたら三姉妹になりますけど」


全員の視線がこの場に居るもうひとりの金髪の中年男性に向く。


「いや、髪が短くて申し訳ない」


というか、この世界でわたしが会った本物の公爵令嬢、エーリカ様はストレートの金髪猫耳。

公爵令嬢がみんな金髪縦ロールって、どんなステロタイプだ。


私の世界でも確実に4世代は古い。

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