古代戦艦イリスヨナ、巨大海獣の体内へ / 空中円盤を魚雷で砕け / VS巨大イカ空中決戦4
衝撃で吹き飛ばされるフーカ。
フーカが魔力操作と受け身で無事なのを船体側センサで認識しつつ、視線は前へ。
巨大イカがイリスヨナを飲み込んだことを確認して。
後部旋回式魚雷発射から魚雷を発射。
『後部魚雷、投棄!』
後部旋回式魚雷発射管の役目は終了。
イリスヨナの船体が、船首から斜めに持ち上げられる。
『機関最大戦速!』
スクリューが海面を進み、そして巨大イカの体内をかき回す。
ダメージを狙ってのことではない。
推進機関は通常の役割どおり、前進することだけが目的。
「敵、円盤怪獣の回転歯が動作、収束を開始しました」
副長が報告してくれるが無視。
副長のように双眼鏡をかまえていなくても、第1発令所の丸窓から向かってくる回転歯が見える。
『艦首衝角にエネルギィ充填開始。総員衝撃に備えよ。カウント開始』
この状況で神に祈るような者は、この船にはひとりも乗っていない。
『5、4、3、2、1』
カウント・ゼロと同時に、後部旋回式魚雷発射管から投棄した魚雷が時限信管で炸裂する。
同時に衝角から衝撃波を発生。
下から爆発で船尾を押し上げて、先端部の衝撃波。
それほど強固ではなかった巨大イカの胴体を、イリスヨナの船体が突き破った。
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敵、巨大イカ型円盤怪獣に飲み込まれ、ほぼ直立した状態の古代戦艦イリスヨナ。
巨大イカの肩あたりから先端が突き出す。
イカに肩はないが。
身動きのとれないイリスヨナの艦首、その鼻先に、浮遊円盤があった。
『前部魚雷発射!』
本来ならイリスヨナ積載の高性能魚雷は、安全のためイリスヨナから距離をとって起爆するのだが。
前部発射管から圧搾空気でぽんと飛び出した魚雷は、安全装置を解除されている。
発射してすぐに円盤怪獣を支える円盤へ激突し、調停された通りに直近で炸裂した。