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万能戦艦イリスヨナ / 愛しのイリス様のためなら古代戦艦だって総て滅ぼすことができる【百合】 / 愛しい我が巫女姫のために艦隊作るよ  作者: MNukazawa
デザイナ・トーエの一日 / 人類の海洋再進出と吸血鬼の影 / VS巨大イカ空中決戦
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デザイナ トーエの一日 / 古代戦艦ヨナは眠らない

ミッキが朝の早い船大工に合わせて出勤。


トーエはチセを起こし、顔を洗って着替えさせて、チセを連れてイリス家へ出発。

イリス伯邸の入場は顔パス。

廊下をしばらく進むと、使用人のエミリアさんがやってくる。


「おはようございますエミリアさん」


チセもトーエの後ろから小さな声で挨拶する。


「昨晩はイリス様はお一人でお休みになりました」

「なら図書室からですね」


イリス家の朝は、いくつかの決まったパターンになっている。

イリス様が望んだ日はヨナさんが一緒に眠るので、ふたりを一緒に起こすために寝室へ直行する。

それ以外で、ミッキとヨナさんがイリスヨナで夜ふかししていない場合、ヨナさんは図書室で夜を過ごす。


ヨナさんは眠らなくてもよいそうで、必要がなければ寝ない。

『この世界のことをもっと知っておきたい』とのことで、ひたすら本を読んで過ごす。


「おはよう。もうそんな時間なのね」


私たちが図書室に足を踏み入れる前に、ヨナさんは本を仕舞って移動の準備を終えている。

ヨナさん、エミリアさん、トーエ、チセの4人でイリス様を起こしに行く。


寝室につくと、眠っているイリス様をヨナさんが起こす。


目覚めたイリス様によってたかって朝支度を施す。


ヨナさんとチセは手持ち無沙汰のことが多いけれど、イリス様を退屈させないよう会話をしたり。


最初はイリス様に触れるのを恐れ多いと遠慮していたトーエは、今はエミリアさんよりもイリス様のお肌のご機嫌に詳しい。

イリス様は髪をケアするのがお気に入り。


支度が終わると、朝食へ。


イリス伯は少食で、食事の時間は決まっており先に食べ終えていることが多い。

全員が食卓についてスープが配膳されたあたりのタイミングで、イリス伯は出勤。

伯領地を差配する官庁は小さな城の中にある。

城でなくイリス伯邸に住んでいるのは、こちらのほうが河川と古代戦艦イリスヨナに近いからだ。

逆に官庁がここにないのは河の反乱が起こったとき孤立しかねないなど、ここにあると不便が多いから。


ヨナさんは食事の前に両手を合わせる。


「いただきます」


食事を開始する時に食材になった動植物へ感謝を表す、というヨナさんの実家周辺にある風習だそうだ。

主旨はわかる。この国にも謝肉祭などがある。

が、あくまで収穫の喜びを分かち合うのがメインだし、食前の挨拶と言えば神様への暮らしの感謝になる。

食事のたびに、命を奪った旨を宣誓をするというのは、すこし野蛮な風習だと思う。


たまに、イリス様も無言で手を合わせるだけする。

最近は『お友達』の立場を盾に、イリス様と一緒に同じメニューの朝食を頂く日が多い。


「いつもありがとうございます」

「お気になさらず」


食卓を差配するエミリアさんが、同席する相手の格を気にしない方でよかった、と思う。

イリス様とヨナさんはともかく。


食事が終わり、短い食休みの時間に、ヨナさんが。


「トーエたちの朝食っていつもはどんな感じなの?」

「朝はパンで済ませることが多いですね。前日の残りのスープを添えたり、卵をつけあわせることはあります。腸詰めなどの肉はあまり」

「トーエのごはんもおいしい」


チセのえこひいきは嬉しく思うけれど、領地伯の娘であるイリス様の朝食メニューとは比べるようなものではない。

食べるものはチセの一部になる。良いものを食べてもらいたいし、生活に困っていないのをいいことに、それなりに良いものを食べていたつもりだ。


「チセとトーエの乗船許可が、来週までにはおりるわ。艦内見学を開催したいのだけれど、いつ頃が都合がいいかしら?」

「そのあたりの日ならいつでも問題ありませんよ」

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