表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今日も僕は君を待っている。  作者: 西野未姫
1/2

Ⅰ encounter

最初は友情か恋心かなんてわかんなかった。


ただ初めて僕を友達として扱ってくれた女の子だったと思う。


物心がついた時から僕は女性が苦手だったと記憶している。

年の離れた姉は僕のことを可愛がってくれていたし母親も何かと世話を焼いてくれて甘やかされていたとは思う。

ただ幼稚園に入ってから幼稚園の先生も含めて何故か女性が苦手だった。

顔だけは可愛かったから割とモテて、女の子が来るけど僕は逆にそれが嫌だった。母親は「瞬くんかわいいからね」と喜んでいたけど。

だからなのか小学校では暗い子。本ばっか読んでる子って言われた。メガネもかけていたから余計なのかもしれない。でもそれで良かった。2.3人親しい友達がいたし、ギャーギャー騒ぐ男子は苦手。女の子もそんなに近寄ってこなくなった。

それが変わったのは中学。 小学校のメンバーも大半だったけどほかの小学校と合わさっていたからクラスの半分くらいは知らない人だった。 勉強は割とできた方だったし、部活もなんとなく入ったバレーが楽しかった。 バレーをするから部活中だけコンタクトにせざるを得なくて怖かったけどコンタクトにした。そしたら同じ体育館部活の女子に「メガネがないとかっこいい」と言われるようになり、次第にクラスでも「メガネ外してみて!」と言われる始末。 だからといって女子と話せるようになったわけじゃない。今思えばそういう派手なノリが苦手だっただけなのかもしれない。 母親からは彼女ができていないか根掘り葉掘り聞かれたけど僕は女の子と付き合う気はなかった。


高校1年。

文化祭で1年生はクラス展示と称したアトラクション的なものを作らなくてはいけない。2.3年は飲食を用いた模擬店ができるのだが。 その点ではつまらないと思った。

クラスでなんとなく決まった射的やヨーヨーができるお祭り屋台で、放課後や休日を使って屋台だったりを作らなくてはならないと言われた。部活の時間が減ると単純に嫌だった。しかもこういうみんなでワイワイ作業は嫌いだ。人と話さなきゃいけないじゃないか。


結局楽そうな廊下の飾り付けを選んだ。同じ中学(どころか幼稚園から同じ)だったバスケ部の田中とやろうと思ったら田中が奏斗を誘ってたから男子は3人。あとは陽凪と陽凪と仲のいい彩奈の5人だった。


「瞬…でいいかな? よろしくな。」


この時が初めてまともに奏斗と話した時だったと思う。田中経由で一緒にいることはあってもなかなか話しかけにくかった。 奏斗は誰にでも話しかけられるから僕とは正反対だと思ってた。


「こちらこそよろしく。」


最初は陽凪はただの女子でまぁキャピキャピしてないだけマシだなっていう印象だった。


でも作業をしていくにつれて陽凪は周りを見てる子だと思った。周りを見て手伝ってくれて、時にはほかの班の終わってないところも手伝っていた。


「どうして陽凪は廊下にしたの?あんま作業ないから?」

奏斗が若干失礼なことを聞いていたのに対して陽凪は

「部活が文化部だから、自分は出なくても先輩の演奏見たいし手伝いたいから」

って返していたのをとても覚えている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ