2日目の放課後〜部室までの渡り廊下で〜
今日も全部の授業を終えた。教科書やノートを机からリュックへ移してる最中に理華ちゃんがやって来た。
「薫子さん、早く行きましょう」
「うん、ちょっと待って」
最後の荷物を入れてチャックを閉めた。
「よしと……。行こうか」
「はい!」
理華ちゃんは昨日、寮に帰ってからずっと写真の魅力や滉介先生の髪型の悪口を言っていた。悪口を言っている割にはすごく気に入っているのが伝わってくる。
「薫子さんは滉介先生の事どうおもいますの?」
「別になんとも思わないよ」
「本当ですの?」
「本当だよ。そうゆう、理華ちゃんはどう思うのよ?」
「なんだ? 俺の話か?」
突然、後から話かけられたからびっくりした。声の主は滉介先生だ。昨日よりさっぱりして、目が見えている。でも、ボサボサだ。
「あら、滉介先生。丁度先生の話をしていたのですよ」
「なんだ? 何の話してるんだ? 俺の話題なんて何もないだろ?」
「半分当たっていますわ」
「先生、髪切りました? 目が見えてる……」
理華ちゃんが触れないので、触れてあげた。
「おぉー、かおりは気づいたか。そうなんだよ〜。教頭に言われたんだよ。あの後、すぐ行ったよ」
「そうなのですか? さっぱりしていいじゃないですか」
『もう、蓬髪教師と呼べなくなったな』と心の中で思いながら2人の話を聞いていた。
「今日も見学か? 昨日、生徒たちに言ったから今日はいるよ。5時までゆっくりしていけよ」
「はい。ありがとうございます」
「あの、先生!」と、部室の近くの階段を降りようとした滉介先生を呼び止めた。
「あの、私……写真部入ります!!」
自分でも、驚くくらい大声で叫んだ。
「おぉ〜ありがとうな」
私とは、対照的に普通の声の大きさで言い階段を降りた。冴えない先生だけどこの時の先生は何故かかっこよく見えた。
「薫子さん本当ですの!?」
「うん。理華ちゃんありがとうね」
「いえいえ、こちらこそありがとうございますわ!」
そろそろ、理華ちゃん以外にも生徒を出さねば