表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あの恋は散りゆく花の如し  作者: 女武将信長
2/5

彼女の名前は本郷理華

「はーい、じゃあ今日から皆の担任の白石です。よろしくね〜」


担任の白石先生は体育の先生。礼服でも、体育会系と分かる。すらっと細い脚についた筋肉はひと目では分からない。美しくしさに秘めた勇ましさは特別にかっこよく見えた。


「はいじゃあ、最後に部活動見学について話すわね。早速、今日からはじまるんだけど今日だけ、寮生活の生徒も見学できるように5:30まで、やってるからね。それじゃ解散!」


私も早く荷解きしようとリュックを背負ったその時、誰かに呼ばれた


「藤宮さんですよね?」


「はい? なんですか?」


その人はフランス人形のように美しく姿だった。一緒に立っているのが、おごがましいくらい美しい……。


(わたくし)藤宮さんのルームメイトの本郷理華と申します。よろしければ一緒に荷解きでもって……」


「ルーム……メイト……る、ルー……あっ、分かった!! いいですよ!」


すぐに寮の事だと分かり、承諾した。理華さんは無邪気な子供のように喜んだ。


寮までの間はすぐに打ち解け会話が弾んだ。自分の話や家族の話をした。


理華ちゃんのお父さんは『SELECTAGE(セレクタージュ)』の社長さんらしい。

SELECTAGE(セレクタージュ)は世界に支店を構えるファッションブランドだ。ファッションに疎い(うと)私でも知ってるブランドだ。まさか自分の知り合いに有名企業の令嬢がいるなんて、思いもしなかった。


寮の部屋は自分の家のリビングより広い部屋だった。冷蔵庫、洗濯機、乾燥機完備にアメニティーもある。シャンプーやリンスは無いけど凄い。洗濯物を干すベランダもある。クローゼットも私服を入れるのに充分。1番は本棚の大きさだ。


「理華ちゃん、こんなに大きい本棚初めて! 家にあるラノベ全部入れても余るよ! もっと持って来れば良かったなぁ〜」


「ラノベってなんですの?」


「えっと、ラノベって『ライトノベル』の略称で、アニメみたいな感じの挿絵が普通の小説より多いんだよね。でも定義が曖昧だから、説明しずらいんだよね……」


「良かったら貸していただけませんか? 薫子さんの趣味も理解したいので」


「いいよ! 今からでも貸すよ!」と言いながらキャリーバッグから『Reスタート』というラベルを出した。


「主人公がね、事故に遭うんだけど中世ヨーロッパの貴族に転生してそこで生き抜くってゆう話なんだよ。すごく人気でアニメ化されたんだよ」


理華ちゃんは物珍しそうに『Reスタート』を眺めた。パラパラと本をめくりながら『絵の女の子がお人形さんみたいですね』とか『この王子様は誰ですの?』と聞いてきて、けっこう嬉しくなった。



「やだ、大変だわ! こうして、おしゃべりをしていたら5時ですわ! 荷解きは後にして部活動見学に行きましょう!」


「えっ? 今から?」


「寮は校内にありますから、そう遠くはないはずです。今なら、走って間に合いますわ!」


そのまま、手を掴まれ理華ちゃんは走った


「うぇ! ちょ、ちょっと……りかちゃん!!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ