6話
女店主に頼まれたので排泄させてやった
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ヒメをフラウに預けてゴブリンの討伐依頼を報告するためにギルドに来た。
「依頼は達成でいいか?」
依頼書とゴブリンの右耳を20個出す。
「……はい、完了です。あと6Pでランクアップです」
受付を離れて掲示板を見てみる。
「ポーションハーブの採取か……」
下級ポーションの原料になるポーションハーブの採取依頼があった。5株で1Pらしい。ゴブリンの耳と同じ価値とはな。ポーションハーブはアイテムボックスに腐るほどあるのだがこれを提出してもいいのか?
受付に2枚の依頼書を持って行く。
「この依頼について質問がある。ポーションハーブは元々持っているのを提出しても良いのか?」
「採取依頼に関しては大丈夫ですよ。討伐はダメですが」
そりゃそうだろう。間引きを頼んでるのに別の所のモンスターを狩っても意味がない。
「ならこの依頼を受ける」
「分かりました……はい、もう提出しますか?」
ポーションハーブを30株アイテムボックスから出す。
「ちょうどランクアップ分だ。確かめてくれ」
受付嬢は根を傷付けないように確認をしている。そして頷くと何かを入力し始めた。
「これでクライスさんランクアップしてEランクになります。Dランクまでの依頼を受けることが出来るようになりますが無茶はしやいようにしてくださいね」
簡潔に説明をして最後に笑顔で注意を促す。王都の受付嬢より教育が良い。
「無茶はしないがこの依頼を受ける」
もう1枚の依頼書を見せる。
「オークですか?Eランク成り立ての冒険者では歯が立たないと思いますが……」
困った顔をして考え込んでしまう。暫くして笑顔をこちらに向けた。
「そうです。クライスもパーティを組みましょう。ちょうど魔道士を募集しているEランクパーティがいるんです。『心乃剣』っていうパーティなんですけど、新進気鋭の人達なんです」
一気にまくし立てられてイラっとする。最近短気になってるな。気をつけないと。
ギルドのお気に入りかもしれないが俺はソロの方が好きだ。断らせてもらう。
「俺は1人の方が——」
「今度心乃剣の皆さんが来たら伝えておきますね」
笑顔で俺の言葉を遮りやがった。深呼吸して落ち着こう。スーハー、スーハー。なんだこいつ。
「とにかくオークの討伐依頼を登録しろ」
「え、だからパーティを組んでからでも……」
「伝えたければ伝えればいい。俺は1人でオークを狩る」
何よ人がせっかく……と、ブツブツ言いながら手続きをしている。
「はい、終わりました」
不機嫌なのを隠そうともしない。受付嬢ってみんなこんなのばっかなのか?依頼書を受け取り無言でギルドを出る。
「あー、ムカつく。オークには悪いけど八つ当たりしよ」
どういう風に狩ろうかな。