表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仕事なので勇者探します  作者: 新町新
3/23

3話

2話目も同時に投稿しましたがあらすじで内容がわかる人は読まなくても大丈夫です

 



 女に絡まれたからミスリルに変えてやった。



▲△▲△▲△▲△▲


 ギルドを出て大通りを歩く。さすが他民族国家、昼よりは少ないが夜でも人が絶えない。大手商会の支店や個人店は営業してるがさすがに露店は無いみたいだな。


「杖〜杖〜」


 その中でも鍛冶屋か武器を卸してる店を探す。ギルドで聞いた話だと魔道士は杖を持つのが普通らしい、杖というか発動体だろう。


 暫く歩いてそれらしき店を見つけた。


「うわ、売り子とか居んのか。めんどくせ」


 店の中は綺麗に武器が並べられていて、売り子が色々説明してるみたいだ。俺には説明は必要無いな、買う物は決まってる。


 売り子に話しかける。


「この店で一番安い杖をくれ」


 高いのを買っても使わないから意味が無い。場面によっては戦士のふりもしたいから剣も欲しいな。


「あと一番安い剣も頼む」


 追加で頼む。もちろん使わないから安物でいい。


「え?は、はい。分かりました」


 一瞬驚いた顔をしたがすぐに笑顔に戻った。


「こちらとこちらですね」


 出されたのは先端に小さな魔石が付いた杖と一目見て安物と分かる剣、びっくりするほど要望通りだ。


「いくらだ」


「杖が大銅貨5枚、剣が大銅貨7枚の銀貨1枚と大銅貨2枚です」


 杖は殆ど魔石の値段で剣は材料費が殆どだな、見習いが打ったのかもしれないな。


 金を払って店を出る。剣はアイテムボックスの中に入れた。


「月が雲に隠れてしまったな」


 見上げると月が雨雲に覆われてしまっている。街の外に出れば真っ暗だろう。


「こういうとき人だと困るんだよなぁ」


 ザールみたいにヴァンパイアだったら夜の方が良いだろうけと、人間である俺にとっては悪条件だ。


 ガシガシと頭をかきながら外に向かう。今見えてきた門を抜ければ街を出ることが出来る。


「おい、夜なのに外に出るつもりか?」


「俺は夜の方が得意なんだ」


 門番の男に止められたがサラッと嘘をつく。男は納得してくれたようだ。街の外に出ると予想通り真っ暗だ。今は辛うじて街からの光があるが、100mも行けば別世界になるだろう。


「しかも寒いな、ローブを着るか……」


 アイテムボックスからローブを取り出して羽織る。もちろん黒だ。ローブの留め具に手を触れて土属性を表すトパーズが付いていることに気付いた。これだとすぐに土属性の魔道士だとバレるので外してしまおう。


 火はルビー、水はサファイア、風はエメラルドと決まっていて実際に多少出力が強くなるらしい。


「こんなときラナがいれば火精(イフリート)を召喚してもらうんだが……」


 いない奴のことを言っても始まらないのでさっさと進もう。既に真っ暗だし森の中を歩いているので、いつモンスターに襲われても不思議じゃない。


「ゴブリンなら嬉しいんだけどな。そうだ、図鑑でどこが討伐部位なのか確認しないと」


 戦闘中に破損させたら勿体無いしな。ふむ、どうやら右耳みたいだな。他にも集団で襲ってくるから気を付けろとか、道具や罠を使う事もあるから気を付けろとか書いてある。


「ゴブリンの罠なんて怖くも——」


 ない、と言おうとしたら逆さ吊りになってしまった。これがゴブリンの罠か?意外と本格的だな。


 周囲を見回すと森の中からゴブリンが出てくるのが見える。暗すぎて気付かなかった。ゴブリン達は一様に勝ち誇った顔をしていてムカつく。


土人形(クレイゴーレム)


 浮いたままだと土属性の魔法を使えないので杖を地面に突き刺して、粘土のゴーレムを召喚する。魔力の限り幾らでも召喚出来るが召喚者の四分の一程度のレベルしか無い。


 目も口も無いのっぺらぼうの顔に人の体をくっ付けた様なクレイゴーレムが4体、地面からモコモコと出てきた。


「ゴブリンを潰せ」


 命令するとクレイゴーレムたちはゆっくりとゴブリンに向かう。俺が作ったわけじゃないから性能は良くない、遅いし打撃に弱いがゴブリン程度なら大丈夫だろう。


 今の内に罠を解除する。腹筋を使い体を持ち上げて足首を確認すると、蔓が巻き付いている。ロープの代わりに使ったんだろう。蔓を掴んで錬金で土に変えてしまう。


「よっ、とっと」


 後ろに一回転してカッコ良く着地しようとしたがフラついたしローブもめくれ上がって顔を隠してる。カッコ悪い。


「ん、ゴブリンの声が消えたな」


 カッコ良く着地するシミュレーションをしていたらゴブリンが全滅したらしい。これから右耳を剥ぎ取るのか。


「うわ、この剣全然切れないぞ」


 買ったばかりの剣を使ってみたが、剥ぎ取りにはデカイし切れなさすぎる。後で剥ぎ取り用のナイフを錬金しよう。


「あ、ライトの魔法使えば明るくなるのか。うっかりしていた」


 各属性に含まれない魔法がいくつかあり、ライトや障壁などが代表例だ。珍しいのでフライとかいう飛べる魔法もあるらしい。ライトは光源の魔法だ。込める魔力に比例して光が強くなる。


「光よ(ライト)」


 急に明るくなって一瞬視界が霞む。これ夜間戦闘に使えそうだな。明るくなったので剥ぎ残しが無いか確認する。


「よし、全部剥ぎ取ったみたいだな」


 移動しようかとした時に草むらが音を立てた。どうやらライトの光に集まったらしい、ウルフだ。ウルフもゴブリンと同じFランクだった筈。本能で動くので俺のことを襲うことは無いと思うがどうだろう。


「……何もしてこないな」


 本当に何もされなかったのでホープの街に向かって歩き出す。俺が離れると後ろの方が騒がしくなったのでゴブリンの死体を食べに来たんだろう。途中で気付いたのか最初から血の匂いに釣られて来たのかは分からないが。


「剥ぎ取りを忘れてたら悲惨だったな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ