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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

Gohoubi☆minesweeper

作者: とーな

 昼休み。

 高校の教室でブレザーを着た一人の女子生徒がスマートフォンをいじっていた。

 彼女の名前はさくら。黒髪を肩までのばした、少し童顔な可愛らしい少女。

 桜は首をかしげてスマートフォンの画面を見つめている。

「どうしたの、桜?」

 友人の麻衣まいが、そんな桜に声をかけた。

 麻衣も同じブレザーを着用しており、髪は黒く短髪、細身でスタイルも良く、スポーツ少女といった感じだ。

「ん?これが難しくて」

 そういって桜が麻衣にスマートフォンの画面を見せると、そこには、いくつものマスにブロックや数字があり、いわゆるマインスイーパというゲームの画面があった。

 マインスイーパとは、1980年代に発明されたコンピューターゲームである。ゲームの目的は地雷原から地雷を取り除くこと。ゲーム画面には正方形のマスが敷き詰められた長方形のフィールドから構成されている。そのマスは自由に開けられるが、地雷のあるマスを開けてしまうとその時点でプレイヤーの負けとなる。なので、上手く地雷をよけつつ、地雷のないマスをすべて開ければプレイヤーの勝ちとなる。

 最初はルールもわからず、とにかく押したら爆発してやり直し。のようなことが起こっていて、ルールを理解してからやってみると推理が面白くてつい時間を忘れてやってしまう。(作者が)

 そんなマインスイーパを桜もやっているのだが、どうやら上手くいっていないようだ。

 いくつかマスが開いてはいるが、地雷の場所に見当が付かず、進んでいない様子。

「あ、ここ。開けられるよ。ここも」

 そんなマインスイーパを麻衣はすんなり解いてしまった。

「すごいね・・・麻衣。バカだと思ってたのに・・・」

「ひどいっ!やり方さえ分かればバカでも出来るよ」

 否定しないんだ・・・、と二人で笑う。

「やり方って?」

 数字の意味と配列による地雷のパターン、旗による当たりの付け方、など。

 そうして基本的を、スマートフォンの攻略サイトをみながら教えてくれた。

 そして、麻衣のヒントをもらいつつ、三段階ある難易度のうち最も低い、イージーのステージをクリアした。

「おお。出来た」

「でしょ?」

 満足げな表情の麻衣。

 これは評価を改めなければならないな、と桜は思った。

「どうせだし、ノーマルもやってみなよ」

 その麻衣の提案にのり、今度はノーマルに挑戦してみる。

 ノーマルのステージは先程よりもマス目も地雷の数も増えている。が、やることは変わらない。

 しかし、一回目の挑戦はすぐにつまり、あっけなく終わってしまった。

 そこまで本気でクリアを目指してる訳ではないので、諦めようと思ったのだが、麻衣が「クリアしたらご褒美をやろう」と言うので、続けることにした。

「ご褒美ってなに?」

「内緒!甘いものだよ」

 甘いもの。お菓子か。

 桜は購買に売っているお菓子をいくつか想像し、何を貰えるのか考えている。当然、まだクリアはしていない。

 ポッキー?トッポ?じゃがりこかな?

 しかし、二度目の挑戦はタップミスにより失敗に終わった。

「まぁ、今の私にはこの程度ってことだな。諦めよう」

「いやいや。もうちょっとがんばろうよ。ヒント!ヒント出すから」

 それはもう先程と変わらないのではと。そう思いつつも、桜は少しだけ麻衣のヒントをもらいつつ、進めていく。

「なんでそんなにご褒美あげたがるの?・・・あ、嫌な予感がしてきた。わざとミスしていい?」

「だめだよ!そんないたずらなんてしないから、はやく!はやく!」

 せかされた。

 うるさい隣を無視して、ちょいちょいでてくるヒントに助かりながら、進めていく。

 そしてなんとかノーマルを終える。

「やった!クリア出来た」

「おめでとう!桜!」

 麻衣はそう言い抱きついてきた。

 ここは教室。当然周りには他のクラスメートがいるのだが、周りはそんな二人のことは、いつものことのように、気にしている様子はない。

「で。ご褒美は?このハグがご褒美なわけないよね?」

 もちろん。と麻衣は首を振り、桜から離れた。

「それじゃあ。ご褒美ね☆」

 麻衣はこちらに背を向け、何か準備をしている。

 嫌な予感が戻ってきた。

 何をされても対応出来るように、少し体を引き、手を前に出す。

 すると、麻衣は振り返り、手に持つジュースをこちらに押しつけてきた。

「きゃ。ジュ、ジュース?」

 そうして手がお腹のところに移動し、ジュースを受け取ると。

「好き有り!」

 チュッ。

 いきなり体を寄せてきて、そのままの勢いで短く、された。

「ぷはっ。な、何を!?」

「いや~ん。ファーストキスあげちゃった~」

 麻衣はくねくねと体を動かしている。

 何人かの生徒がこちらをみている。

 み、見られた・・・。あ、視線そらされた・・・。


 後に、この二人のいつものおふざけということで、避けられることはなかったのだが、それを桜はまだ知らない。


「終わった・・・。レズみたいに思われて彼氏が出来ないんだ・・・」

「大丈夫だよ!私が彼女になるから」

「やめて!これ以上誤解を生まないで!」

 

 休み時間中ギャーギャー騒いで過ごす、いつもの休み時間。

 

 マインスイーパで、遊んでみませんか?

 

 もしかしたら、そこから始まる恋もあるかも?

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