8 再起への準備
撤退から数日が経過した。
補給拠点に設置された簡易の基地で、俺たちは次なる戦いへの準備を進めていた。
周囲には修復中の装備や兵士たちの怒号が響く。
誰もが敗北の痛みを噛みしめながら、次の戦いに向けて動いていた。
『修羅、状況を把握しているか?』
『ああ。
次は俺たちが仕掛ける番だろう。』
神威との対話を続けながら、俺は黒炎の霊刃を丁寧に手入れしていた。
「修羅、そっちは準備できてるか?」
ガロンの声が聞こえ、俺は顔を上げた。
彼の腕が新しいメカニカルアームに交換されているのに気づく。
「随分と派手になったな。」
「これのおかげで、火力も耐久も倍増だ。
サイボーグ化は悪くない。
お前も試してみるか?」
俺は軽く肩をすくめた。
「俺には必要ない。」
ガロンの笑みの奥には、自分の選択への確信が見えた。
その隣ではリックが新型の光学補正システムを調整していた。
「お前も何か変わったのか?」
リックは短く頷くだけだった。
だが、その目の鋭さは、確実に何かを手に入れたことを物語っていた。
さらに奥では、マリアが新しい人工関節をテストしていた。
「修羅、どうせならもっと驚いてくれてもいいんじゃない?
これで私たち全員が進化してるってことよ。」
「お前たちはどんどん機械の体に近づいているな。」
「そのおかげで次は負けない。
そうだろう?」
俺は仲間たちの変化を見つめながら、自分の武器を握り直した。
『修羅、これが人間の選択だ。
弱さを埋めるために進化を求める。
お前のような異端とは違うが、興味深いな。』
『そうして強くなるなら、それでいい。
俺は俺のやり方で戦うだけだ。』
仲間たちが少しずつ進化し、自信を取り戻す中、俺の中には次の戦場への期待が渦巻いていた。
基地のモニターには、敵の無人機群が東の領域を偵察する映像が映し出されていた。
「次の攻撃を準備している。」
司令官が低い声で呟き、作戦会議が始まる。
俺たちの目標は明確だった。
敵の次世代無人機の拠点を叩き、進行を止めること。
『修羅、次の戦場はお前を試す場になるだろう。
準備はできているか?』
『とっくにできている。
また奴らを叩き潰すだけだ。』
俺は立ち上がり、黒炎の霊刃を腰に戻した。
仲間たちの進化。
新たな敵。
戦場が再び俺たちを待っていた。




