5 戦場に咲く破壊の花
夜の闇が戦場を覆い尽くし、炎の光がその黒を引き裂いていた。
俺は廃墟と化した都市を進みながら、目の前に広がる死と破壊の景色を眺めていた。
血の匂い、金属の軋む音、そして断末魔の叫び――これが俺の居場所だ。
補給部隊を守るため、俺たちは西軍の伏兵を排除する任務を受けた。
だが、俺にとって重要なのは目的ではない。
敵がいる。それだけで十分だった。
『修羅、また獲物を探しているのか?』
神威の念話が冷たく響く。
『当然だ。ここにいる限り、獲物には困らないだろう?』
俺が呟くと、風が頬を切り裂き、遠くからエンジン音が響いてきた。
視線を向けると、戦車の砲塔がこちらを捉えていた。
轟音とともに砲弾が放たれる。
俺は地を蹴り、瞬時に側面へ跳躍。
砲弾は背後の廃墟を爆砕し、瓦礫が空へ舞い上がる。
『遅い。』
俺は黒炎の霊刃を構え、一息で戦車の懐に潜り込む。
霊刃を振り下ろすと、刃先が装甲を貫き、エンジンを叩き潰す。
戦車は轟音を上げて動きを止め、内部から炎が噴き出した。
「続けるぞ。」
ガロンが後方で叫ぶ声が聞こえる。
仲間たちも散開し、伏兵との交戦を開始した。
敵の狙撃手が廃墟の上からこちらを狙う。
俺は足元に炎の魔法を放ち、地を割るように熱を走らせた。
炎が瓦礫を駆け上がり、狙撃手を呑み込む。
悲鳴とともに奴は崩れ落ち、その体は燃え尽きるまで止まらなかった。
周囲に敵兵が現れ、銃を構える。
『修羅、右だ。』
神威の声に反応し、俺は反時計回りに跳躍。
弾丸が風を切り、俺の周囲を掠める。
だが、その全てをかわし、俺は無傷で敵の懐に入り込んだ。
黒炎の霊刃が一閃する。
刃が触れた瞬間、敵兵の装備が弾け飛び、体が地面に叩きつけられる。
次の瞬間、俺の拳が別の敵兵の胸を貫いた。
数分後、戦場は静まり返っていた。
俺は血に染まった大地を踏みしめながら、崩れ落ちた敵戦車を見下ろしていた。
『満足したか?』神威が問いかける。
『いや、まだだ。もっとだ。これでは足りない。』
俺の目は次の戦場を捉えていた。




