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カクという行為 4


   (こう)


 書き出しがようやく書けたからなのか、それともずっと溜まっていたものを一気に放出したいという気持ちがそうさせているのか、よく判らないけど、それでも一気呵成に書きまくり、なんとか紙芝居を完成させた。

 書いている間、恍惚に包まれる。

 気持ち良かった。

 本番を経験するには多分まだまだ先だし、これがセックスの快感と同種であるのかどうか判らないけど、それでもある種の悦楽のようなものがたしかに俺の中にあった。 

 とはいえ、本番まだまだ先のこと。

 これは実際のセックスではなく、紙芝居のこと。

 書いただけで紙芝居は完成じゃない、この文章に画を描いてもらい、稽古をして、そして観客に、この作品に関しては藤堂さんに観てもらってようやく完成、つまりセックスをしたことになる。

 まだまだ先は長い。

 が、それでも一応書いた、書けたということの満足感が。

 だが、それは長くは続かなかった。

 賢者タイムというのがある。実際に出したわけではないけど、それでもようやく放出することできたからなのか、少し冷静に。

 セックスのつもりで書いたけど、もしかしたらたんに俺の自己満足のオナニーになってしまっているかもしれない。

 初めての経験で、おまけに文章もそんなに上手くない。

 俺の意図がちゃんと藤堂さんに伝わるのか。

 もっと加筆をする必要があるんじゃ。

 説明を、この時の主人公心理描写をもう少し詳しく、より丁寧に書いたほうが、藤堂さんに伝わるんじゃないのか。

 そう考えて最後まで書いた文章を参考にしながら、もう一度最初から書き直した。



   (みなと)


 なんだか結城くんの背中が楽しそうに映るように

 もしかしたら悩み事は紙芝居の創作についてだったのかも。

 そしてそれが解決して、製作が上手く捗っているんだ。

 そんなことを勝手に想像していたら、またちょっとだけ小さく見えるように。

 ちょっと心配になってくる。


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