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第3話 ゴブリン




「カーン、カーン、カーン」

朝の鐘が鳴っている音で目が覚める。

「う~~~ん、あぁーよく寝た」

今日から強くなるために、お母さんとの修行だ。何をするのか全く聞いていないけど、とても楽しみだな。とりあえずお母さんのところへ行こう。

「お母さんおはよう!」

「おはようリニナ。」

「お母さん、今日から強くなるために修行をするんだよね。楽しみだなぁ!何からするの?」

「とりあえず朝食を食べてからね。」

「はーい」

ご飯を食べ、家の掃除や洗濯などの家事を終わらした後、私とお母さんはスラム街の近くにある森に来ていた。

「リニナ、今から森の奥の方に向かうわよ。」

「分かったよお母さん」

それから30分程でこぼこな山道を歩いて、森の奥に着いた。前から薄々感じてはいたけど、私の今の体は人間だった頃よりも、身体能力が格段に上がっている。前世の私では、ここまで来るのに一時間半は時間がかかっただろう。人間の体とは構造が違うんだろうな。

「着いたわよ、リニナ。疲れているようなら少し休憩しましょうか」

「ううん、大丈夫」

今のところ、体は疲れてはいなかった。それよりも、早く魔法を使ってみたい気持ちが疲労よりも勝っている私はお母さんに修行をしてもらえるように頼んだ。

「お母さん、わたしも魔法が使えるようになりたい!!」

「その前に、リニナの今の強さを把握したいから、ステータスを見してね」

お母さんはそう言うと、私の肩に手を乗せた。

「うん、分かった。ステータスオープン」

私の目の前に昨日も見た画面が現れた。


リニナ Lv 1

種族 半吸血鬼(特異個体) 5歳

体力 50

魔力 70

攻撃 20

防御 30

魔法攻撃力 20

魔法防御力 30

素早さ 20

種族スキル 【血液操作】【眷属化】【蝙蝠化【干渉魔法Lv 1】【超再生】

種族固有スキル 【太陽光無効】【血液支配】【血液生成】【支配の魔眼】

スキル 【毒魔法Lv 1】【時空間魔法Lv 1】【鑑定Lv 1】【武器創造Lv 1】【自己成長】【属性付与】


「ステータスを見してくれてありがとう。じゃあまずは、何の武器を戦闘で使うかを決めましょう。二つね。」

「剣と弓を使えるようになりたい。」

剣は私が使いたいから、弓は遠くから敵を仕留めるのは狩人のようで憧れがあるのと、遠距離用の武器もあった方がいいと思ったからだ。

「武器は決まったようね。次に魔力を感じることができるようになりましょう」

お母さんが言うには、まずどんな生物にも魔力が流れているとのこと。この自分の中に流れている魔力を感じることが、魔法を使う上での基本になる。

「今から、私がリニナの体に軽く魔力を流すわ。異質なものが入ってきたと分かったら、異質なものに押されている自身の魔力を感じてみて」

「了解」

私の手を握ったお母さんの手から、何か異質なものが少しずつ流れ込んできたのが分かる。感覚としては、少しとろみの着いた水だろうか。そしてお母さんの魔力に押されている魔力が、私の魔力なのだろう。感じることはできても動かそうとすると、難しい。カタツムリよりも遅い速さで、少しずつお母さんの魔力を外に出していった。

「魔力を感じることができたようね。でもびっくりしたわ。もう魔力を使うことができ始めているなんて。普通はあり得ないわ」

「そうなのお母さん?」

「悪いことはではないからよしとして、次に魔物を倒してみましょう。いつかは乗り越えないと行けない壁だから、頑張りましょうリニナ」

「うん、がんばるよお母さん!」

お母さんの言う通りだ。ここは平和な世界ではない。日本よりも遥かに命が軽い世界。盗賊が当たり前に居るし、危険な魔物だっている。考えを改めないと、私が殺されるかもしれない。

「リニナ、そんなに緊張しすぎなくていいの。頼りないかもしれないけれど、私だって居るんだから。安心して」

「お母さん、ありがとう。それでわたしはなにと戦うの?」

「この辺りの森に居て、リニナでも単体なら倒せそうな魔物は、ゴブリン、スライムの二種ね。始めての戦闘だから、私がどちらかの魔物をおびき寄せる。合図で口笛を吹くから、今から渡す剣を構えて、待っててね」

お母さんがおびき寄せに向かった後、私は暇だったので種族スキルと【武器創造Lv 1】や【毒魔法】を試しに使ってみることにした。

とりあえず口に出さなくても思えば使えるのか試そう。【血液操作】

《条件を満たしていないため、種族スキル、【太陽光無効】以外の種族固有スキルは使うことができません。》

はぁーー!!アシストさんの声が聞こえたと思ったら、条件を満たしていないから使うことができないだと。完全なる宝の持ち腐れじゃないか。ひどい、ひどすぎる。戦闘の手数が減ってしまった。

この事態は想定外だ。でも、まだ希望がない訳じゃない。諦めるには早すぎる。気を取り直して、次は【武器創造Lv 1】を試そう。今度は声に出してみよっと。

「【武器創造】」

スキルの名前を呟くと私の前に画面が出てきた。


選択してください。

錆びた剣····20 木の弓····5 矢×10····5 

錆びた短剣····10 木の盾····10


なんか全体的にショボい。でも、武器を作れるだけでもありがたいことだし、まだレベル1だから、今後に期待しよう。期待しよう。錆びた剣を選択っと。ガシャン。私の足下に錆びた剣が落ちた。それと同時に少し体が重くなった。あの武器の横に書いてあった数値は消費魔力量を表しているみたいだ。

よし、二刀流になったことだし、気合いをいれよう。

「ピゅ~~~」

お母さんは森の中の茂みから出てくると同時に、私の斜め後ろについた。そして私を安心させるように笑ってくれた。ありがとうお母さん。

「ギャシャーー!!」

出てきたのは一匹のゴブリン。私は鑑定をしてみることにした。【鑑定】。


ゴブリン Lv 3

種族 悪鬼

体力 60

魔力 20

鑑定のレベルが低いため、これ以上の情報は表示できません。


ゴブリンの方が今の私より強いと思っていた方がいいだろう。体力が分かるのはありがたい。

ゴブリンが私目掛けて向かってくる。私は相手の視界をまずは潰すことにした。

魔法を使うときに大切なのはイメージと想像力とどこかのファンタジーラノベに書いてあった。しっかりと毒を含んだ、紫色の濃い霧をイメージして。

「【毒魔法】毒霧」

私の中の魔力が一気に抜けていく。倒れそうになるのを必死に堪えて、私は一度ゴブリンから距離を取る。あのゴブリンも毒霧の射程圏内にいたはずだ。

少し呼吸をすることがつらい。どうやら、私も毒の効果を受けてしまうようだ。でも、身をもって毒の効果が分かったってことで、結果オーライだ。

でもつらい。辛すぎる。これは短期決戦で勝負をつけないと私が不利になる。私はいち早く毒で悶えているゴブリンを見つけ、足音を立てないようにゆっくりと近づき、辺りが霧で視界が悪い中、首をキョロキョロと動かし、私を見つけようとするゴブリンの背中を、私はおもいっきり斬りつけた。それと同時に、ゴブリンの太ももに私が作った錆びた剣を刺してやった。

「グギャーー!!!」

ゴブリンが悲鳴をあげ、腕をブンブンと振り回す。私は急いでゴブリンから距離をとった。怒りで目が真っ赤に充血したゴブリンは足をもたつかせながらもこっちに向かってくる。闘志は消えていないみたいだ。【鑑定】


ゴブリン Lv 3

種族 悪鬼

状態 毒

体力 15/60

魔力 20


だいぶ弱ってきている。このままいければ勝てる!

やばい、だいぶふらついてきた。足に力がはいらない。視界もぼやける。

さっきから、鼻血も出っぱなしだ。それでも倒れるのは勝ってからだ。

「ステータスオープン」

リニナ Lv 1

種族 半吸血鬼(特異個体) 5歳

状態 毒

体力 15/50

魔力 40/70

攻撃 20

防御 30


意図してステータスを開けば、見たい情報だけ見ることもできる。げ、体力が心もとない。でも、殺ってやる。魔力に余裕があるから、【武器創造】で錆びた短剣を作って、【毒魔法】を使う準備をする。

「グギャシャーー!」

そろそろ来ると思ってた。まずはゴブリンの間合いのぎりぎりまで近づいて、短剣を胸へと投げつける。

グサ。よしうまく刺さったね。そして止めの毒霧。

急いでその場を離れ、少しすると、ゴブリンが倒れる音が聞こえた。

「お母さん、わたし、殺りきったよ。」

そう言った後、私は体の力が抜けて倒れた。

お母さんが走って向かってくる音が聞こえる。その音を最後に私の意識はなくなった。

読んでいただきありがとうございます。いつも本当に感謝しています。どんなことでもいいので、感想をいただけるとありがたいですし、作品の向上にも繋がると思うので、感想をもらえると作者としては嬉しいです。まだまだ至らない点ばかりですが、少しでもいい作品にできるように頑張るので、今後ともよろしくお願いします。

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