鍛冶屋と分解屋のある日のこと
登場人物
週・ブレイス
素手で触れたものを解体する能力を持つ男。
臨から神器の一つ晴天の剣を貰った。
壊さないようにいつも薄い手袋を着用している。
臨・ミカソル
人間国宝を勝手に自分で名乗る神器を生成できる女性。
最初に作った未完成の神器、成長の剣を使い戦う。
人の役に立ちたい事を目標にしているが
遠い親戚とはにらみ合う仲。
人間国宝と自称する彼女とある時出会って、意気投合して
共に旅に出た。
彼女曰く神器を作れるらしくて、自分では集めきれないから、僕の能力で素材を集めるのを手伝ってほしいだっけ?
それらしい事を言って、手を組んだ。
んでお近づきの印として
彼女が作った神器の一つ、"晴天の剣"を貰った。
キラキラ輝いていて、ぶんぶんと素振りをしても重みが!いや、感触が違う!
基本武器を使わず能力で戦う僕だけど、これには驚かずにはいられない。
「凄い!本物だ!君こそ本当の人間国宝だと言っても良いレベルだよ!」
さすがに怖くて薄い手袋を外すことは出来なかったけどそれでも感じるよ。
彼女は嬉しそうに笑って
「そりゃあ私が作ったんだから、当たり前だろ?」
「基本素手使いの僕が認める天才だな、でもあまり自惚れるなよー」
「無茶な話だな、あはは。・・・・ねえ、週、私は作りたいんだ、人に貢献する強い武器を!だからよろしく」
きっと君のその考えに惹かれたんだろなー。
「・・・・い」
「んー・・・?」
夢の中で語りかけてるのは誰だ?
目を徐々に開けると見知った顔が見えてくる
「おい起きろ!こんなところで寝るなよ。それより大変だ!」
何故かそわそわしている臨を見て首をかしげる。
眠気を残したまま、ムクリと起き上がり僕は
「何事?」
と聞く
「例の遠い親戚からお中元の、ギフトが届いた」
「ほう、あのサイコパス拷問野郎からか、興味深いね」
「そうそう、普段とは違う態度にきっもと思いながらカタログ開けたらさ」
彼女は急に死んだ瞳になる。
「いつものアイツだったわ」
はぁーとため息を吐いて
カタログを手渡してくれたのを受け取り、読む。
「・・・・・・えーと」
一気に眠気が消えて素に戻り、目を見開く
「なあアイツ絶対頭おかしいだろ、てか暇なの?親戚の方」
「さあ?で正直、今年で一番イラッときた出来事だから、アイツへの仕返しを考えたわけよ!」
どやる彼女。
僕の頭の中では、詳細。
このカタログの中身は、死カタログと言ってもいいだろう。ご丁寧に、色々なバリエーションある死に方(溺死や焼死・他)の詳細を細やかに図で記載されている。
本当に嫌なカタログみたいだ。
しかも色も塗ってあって正直リアルで吐き気がする程にグロい。
此処に親戚の野郎いないのに、どれで死にたい?と直接語られてる様な気分になった。
今に戻って、策を聞く。
「へぇーどんな?」
「あいつwebサーバー持ってるらしいから、サーバー落とす」
「絶対に弾かれるからやめときなって」
彼女は不満そうにムッとするも、すぐに開き直り
「まっそんなやり返しよりも大事なことは直接会って締める。てことで次会ったら、二度とふざけた真似が出来ないように叩き込んでやってそれから」
「おう、じゃあ僕もお邪魔して、結果を見守っとく」
「いや多分お前も殺られるんじゃね?」
他人事の気持ちから一転する。
「は?え、僕も対象に入ってるの?」
「らしいぜ?だって宛先二人宛だもん」
なるほど、
僕もとうとう彼女の親戚から目をつけられたって事か。
拷問決定だな、ははっ。
真顔になって提案する。
「此処から逃げよう」
「そうだな、私も思う」
二人は身支度をして来るはずのない親戚に怯えながら
休憩を終えて
次の材料がある場所へと向かった。