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アンガラの冒険者ハク

 俺は冒険者のハク。召喚魔法使いだ。白い蛇を召喚出来る。


 現在地について、立地を軽く説明しよう。

 現在の拠点はアンガラ。特に名物はないが、壁と堀と結界魔法に囲まれた安全度の高い街だ。人間の悪党は入って来ちまうが、とりあえず低位の魔物は入って来れない。

 東に深い森、西には険しい山、南北には他の街へと続く街道があるようだ。命知らずの冒険者は山に挑み、鉱石を狙う。普通の冒険者は森に挑み、伐採や採取、狩猟を行い、街に納める。

 山の魔物は大型の飛行種が多く、非常に厄介らしい。

 森の魔物は小型の低位種ばかりだ。中型種も徘徊しており、遭遇すれば危険ではあるが、敵が単独かつ、索敵により先手を取れれば、わりと何とかなる程度のものばかり。


 さて今日は、東にある、アンガラの森という中規模ダンジョンに向かうぞ。

 受けた仕事は四つ。薬草採取がてら、小型の魔物は出来るだけ討伐し、中~大型種の魔物は発見次第調査する。これで三つ。

 理由は知らんが魔物は人を積極的に襲うから、見つけ次第処理する必要があるのだ。薬草の用途も、主に魔物の危険に対する備え。

 あと水質調査だな。川の水を持ち帰り、残留魔力が異常であれば、未確認の魔物が異常発生していると分かる。水辺は獣型の魔物が集まりがちで、水棲型の魔物もいる。様々な種類の魔物に対処する術がなければ受注すらさせて貰えない、難しく、危険な依頼だ。難しい分、そのリターンは大きく、大型種の発生を防ぐには効果的だ。


 アンガラの結界魔法は高品質な方だが、大型種の魔物が大行進でもしてくれば簡単に突破されてしまうだろう。そうしないためにも、我々ベテラン冒険者は、あらゆる手段でもって、大型種の発生を防止している。


「いたぞ。小型種低位の定番、ゴブリンだ。」


 緑の体表。ぎらぎら輝く金色の目。手には木を削り出したのか、棍棒を握る個体が5匹。どこで拾ったのか、鉄の剣を持つ個体が1匹。


「棍棒持ちのザコから一掃だ。剣持ちに警戒。」


 先陣をきり、襲い来る三匹の棍棒持ちゴブリン。残り二匹の棍棒持ちは剣持ちの傍に陣取るようだ。勝利を確信したように嘲笑うゴブリン達。だって、そうだろ。6対1だ。小さな少年が一人で森に入ってきて、バカなのか?とでも思っているんだ。正常な感想だとも。


「食い尽くせ、シロヘビ!」


 しかし、ハクの右手に魔法陣が現れると、白い大きなあぎとが、まず一匹を正面から丸呑みにした。慌てて足を止める二匹目も頭上からバクリ。腰を抜かし後ずさる三匹目も正面からバクリ。

 ハクの召喚獣、白亜大蛇のお出ましだ。名前はシロヘビ。実に淡泊で安直なものである。


 剣持ちのゴブリンは棍棒持ち二匹に逃げるよう指示を出すと、前に出てきた。

 ハクは瞬時に、逃げた内の一匹を火の魔法で打ち抜き、焼き尽くす。


「仲間を呼ぶ気だ。逃がすな、シロヘビ!」


 剣持ちがシロヘビの邪魔をしようと攻撃をしかけるが、斬れない。鱗に阻まれたようだ。


「お前じゃあいつには勝てないさ。俺が相手をしてやろう。かかってこい!」


 剣持ちのゴブリンは悔しそうに歯軋りをすると、咆哮しつつハクに斬りかかった!合わせに行ったハクは合わせ損ね、咄嗟に盾で弾き返す!


「なんと、フェイントを混ぜて来たか。良い太刀筋!剣を持つ技量も然る事ながら、賢い!」


 体制の崩れたゴブリンに火の魔法を放ち、怯んだ所を切り裂くと、ゴブリンは倒れた。まだ死んでいない。


「仲間を逃がす咄嗟の判断といい、素晴らしい。お前、俺の召喚獣にならないか?殺すには惜しい。」


 ゴブリンに召喚契約の魔法陣をかざしながら、ハクは問う。あとはゴブリンの意志次第で、契約が成立するだろう。


 ゴブリンを仕留めて戻ってきたシロヘビを見上げながら、剣持ちゴブリンは降参だとばかりに両手を上げた。

ワンドロスコア 1465字


拠点 アンガラ

主役 冒険者ハク

出演 シロヘビ、ゴブリン達


キーワード

・魔物

・冒険者

・結界魔法

・水質調査

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