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憑きものがかり 後編

作者: みぶ真也

 時代劇のメイク、衣装を終えた後、「憑きものがかり」と書かれた部屋に通された。

 中には白装束の不思議な老婆がいて、何やら役柄に合った霊を憑依させて来たようなのだ。

 本番が始まっても、まるで自分が自分でなくなったような変な感じで芝居をしていた。

 本読みもリハーサルも繰り返してはいたのだが、あの老婆の部屋に行ってから練習した演技をするという意識が消えてしまったようだ。

 セリフも勝手に口をつき出てくる。

 自分が別人になってしまったようで、役者として工夫する楽しみがない。

 なんとなく物足りないまま本番を終え、衣装を着替え、メイクを落とすと、またあの部屋に案内される。

「お疲れ様じゃったな」

 老婆はぼくにではなく、誰もいないはずのぼくの背後に向かって言った。

 と、体が軽くなり、本来の自分が戻って来た。

「あれは何だったんですか?」

 帰り際に演技課の人に尋ねると、

「あの憑きものがかりの婆さんは元イタコでね、いろんな霊を呼び寄せて役者さんに憑依させるんです。今回、みぶさんには無名の浪人侍の霊を憑けてくれましたが、この間織田信長の霊が来た時は大変でした」

 

 放送された作品は素晴らしかった。

 役者が皆、演技をしていないように見えたからだ。


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