9「残酷」
「――おやおや、どうやら見慣れない顔の騎士達が暴れてますね」
「あれは精霊騎士だな……しかし、何故このエルヴェル帝国に」
「リキア大将軍が同盟かなんかでも結んだんじゃないの。知らんけど」
「無責任だな」
エルマーと呼ばれる眼帯をかけた男はそう言うと、フードを被った。
すると、それを見たミアがニヤリと笑って、
「やっぱエルマーいかしてるね!」
「うっせ。早く行くぞ」
「うん」
エルマーは仮面を被り、倣うようにミアも仮面を被った。
「――にしても、ラスキア大将軍の敵兵はどこにいるんだよ」
「罠ばっかりで、本当は軍なんかいねぇんじゃねえのか?」
精霊騎士の男達が呆けている内に、エルマーが指を交差させて合図をした。
そしてミアは頷き、足音を殺して騎士達の背後に偲び寄る。
「誰だ!!」
「あちゃあ」
精霊騎士達に気配を悟られ、ミアは茂みの中から姿を現した。
それを見た精霊騎士達は剣を抜いて構える。
「お前は敵か?」
「そうだけど」
ミアはそう言うと跳躍し、一人の男の頭に飛び乗った。
そして頭を思いきり真後ろへと捻じり、殺害。
続けて別の男の横腹に蹴りを入れ、そして喉笛にナイフを走らせて殺害。
更に女の方へと駆け、剣を振り下ろしたところで剣の上を歩き、そして頭に思いきりナイフを突き刺した。
最後に腰を抜かした男の方へと歩み寄り、じっと彼を見下ろすと、
「精霊騎士を手繰っているのはリキア大将軍で間違いないね?」
「誰が言うかッ!!!」
「なら痛めつけるよ」
ミアは男の指を踏み潰した。男は痛みに喘ぎ、同時に骨がゴリゴリと砕ける音がした。
「一つの関節ずつ折っていけばよかったかも」
「死んでも言わんぞ!!」
「なら、一回死んでみる?」
「へ?」
ミアは男の喉をナイフで切り裂いた。
そして魔法陣を展開する。
「『神蘇生』」
すると、男が生前の健全な状態で蘇り――近くに転がっている自分の体を見て悲鳴を上げた。
「ひっ、なんだよこれ!!」
「禁忌魔法の一つだよ。生物を蘇らせる、ね」
ミアは歩み寄り、男の頬に思いきりナイフを突き刺した。もう片方の頬を貫かれた痛みに男は絶叫する。
しかし、ミアは続けて容赦なくナイフを抜き取り、思い切り彼の両目を切り裂いた。
またも男は絶叫する。
「早く吐けっての」
ミアは冷酷な声音でそう吐くと、男の体を思いきり蹴り付けた。
そして喉仏を踏み潰し、喉を踏み潰した。
ミアは再び『神蘇生』を使い、男を復活させた。
「いい加減、教えてよ。リキア大将軍が関わってるんでしょ?」
「一人の男にそれほど構うな。時間の無駄だ」
奥からエルマーが現れ、そして精霊騎士の男を見下ろした。
「お前、残念だったな」
それだけ言うと、エルマーは男を血痕と肉塊に変えた。
どうも、焼き鮭です。
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